50代で爆速進化する人が「1行日記」を書く理由 「意味」「気づき」を振り返ることの意義

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「毎日の仕事や家事が忙しくて、振り返りをしたくても、なかなか時間がとれない」という方もいるでしょう。ただ、この「1行日記」を続けて思うのは、逆に振り返りの時間を持つことによって自分の時間をつくることができるということです。

過去を振り返ることによって、自分が何をすればいいのかということが自然と明確になっていきます。未来というのは、過去と現在の延長線上にあるわけですから、過去を振り返ることで、進むべき未来が見えてくるのは、当然といえば当然のことかもしれません。

逆に、僕が若い頃、振り返りの習慣を身につけていなかったときには、自分が何をしたいのかもわからず、「他人に言われたから」「みんながいいと言っているから」という理由で動くことが多かったように思います。そうすると、自分の本当の思い、何をやりたくて、何をしているときにワクワクするのかという基準がどんどん曖昧になってしまうのです。

結果的に、やりたくもない仕事を引き受けてしまったり、同じ失敗を繰り返してしまうことも多くありました。「成長しなければ」という気持ちばかりが先走り、いろいろな本を買い込んで勉強でもしてみようと思うのですが、優先順位があやふやなままなので、身につくこともありませんでした。いろんなことをやってみても、結局、自分のための時間にはなっていないのです。

しかし、振り返りを繰り返すことによって、過去と現在をつなげる線が見えるようになります。そして、その延長線上に進むべき未来が見えてきます。すると、さまざまなことがシンプルになります。

これからがこれまでを決める

自分がどこを目指せばいいのか、道筋が明らかになれば、余計なことをやらなくてすむようになります。しかもそれは、誰に言われたことでもなく、自分自身の日々の体験から発見した、自分だけの軸となるのです。

『1行書くだけ日記 やるべきこと、やりたいことが見つかる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

振り返りの習慣を持つことによって、過去の経験を糧に、自らをさらに変えていくことができます。

先日も振り返りをしていたとき、ふいに大学時代に2カ月くらいやったアルバイトのことを突然、思い出しました。そして経験を積み重ねたことにより、そのときにできなかったこと、つらいと思ったことが、30年経って解決していることに気づき、経験の大切さに気づきました。そうやって、日々の気づきだけでなく、限りなく長い時間を経て、あらためて気づくこともあるわけです。

そう考えると、人生というのは、何かスペシャルな体験をして、そこから1つ2つの学びを得るというものだけではないのでしょう。現在の自分があらゆるものから学ぼうという意思と型を持ってさえいれば、数十年前の記憶を反すうして気づきを得て、変わっていくことができるのだと思います。

「これからがこれまでを決める」という言葉があります。もちろん過去に起こった出来事を変えることはできませんが、これから自分のつくっていく未来が、過去の出来事の意味合いを変えていくのだと思います。

僕自身、振り返りを繰り返すようになって、子どもの頃に起こったいろいろな出来事や、そのときに感じていたことの解釈がどんどん変わっていっています。

今の人生に照らすと、こういうことだったのだなという新たな発見があるのです。現在の経験はもちろん、過去の経験にさかのぼり、振り返って反すうしているうちに、気づきが増えていきます。

伊藤 羊一 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長

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いとう よういち / Yoichi Ito

アントレプレナーシップを抱き、世界をより良いものにするために活動する次世代リーダーを育成するスペシャリスト。2021年に武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)を開設し学部長に就任。2023年6月にスタートアップスタジオ「Musashino Valley」をオープン。「次のステップ」に踏み出そうとするすべての人を支援する。また、Zアカデミア学長として次世代リーダー開発を行う。代表作「1分で話せ」は60万部のベストセラーに。

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