女性蔑視発言、「橋本新会長で決着」の光と影 セクハラ疑惑より深刻な橋本新会長のある悩み

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会長就任にあたり、橋本氏は「身の引き締まる思い。全力で東京大会の成功に向けて邁進する」と表明。丸川五輪相も就任会見で「主催都市あっての五輪。小池百合子都知事との連携は非常に重要だ」と述べ、女性トリオによる緊密な連携をアピールした。

IOCと組織委などの最終的な事務協議は進行中で、2月22日の週にもバッハ会長と小池、橋本、丸川3氏による4者協議が開催されるとみられる。

退任後も続く森氏の「院政」

国際的にも注目される4者協議の日本側代表がそろって女性となったことで、政府与党内には「日本の女性差別イメージが払拭される」との期待も広がる。その一方、組織委やJOC幹部が森前会長の手腕と業績を称えたことで、「今後も森さんの院政が続く」(自民幹部)との見方が支配的だ。

橋本氏は森氏の存在について、「森先生は政治の師匠で特別の存在」と強調。週明けにも引き継ぎを受ける考えを示した。安倍晋三前首相に近く、「安倍チルドレン」と呼ばれる丸川氏も、森氏が事実上のオーナーとされる細田派のメンバーだ。このため、「表紙を変えても中身は変わらない」とする批判は今後も付きまとう。

今回の大混乱の原因は、森氏の女性蔑視発言を、組織委と菅首相らが謝罪と撤回で乗り切れると読み、IOCの決着表明で一件落着するとみたことにある。

菅首相は、大先輩である森氏の首に鈴をつける度胸に欠け、森氏が謝罪会見で火に油を注いだ時も、橋本氏を通じて間接的に「あってはならない発言」などと伝えただけ。その結果、森氏は川淵氏後継に動き、川淵氏の就任宣言と森氏の相談役就任に踏み込んだことで、菅首相の政治介入で就任辞退に追い込まれた。

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