381.9kmのドライブを終え、水素を充填したところ3.71kg入った。ちなみに新型MIRAIの水素タンク容量は5.6kgなので、残量1.89kgということになる。消費した水素の量から燃費を計算すると、実燃費は102.938km/kg(381.9km÷3.71kg)となる。水素タンク容量は5.6kgなので、単純計算で約576km(102.938km/kg×5.6kg)走行可能になる。また、エアコンオフで50kmほど航続距離が伸びると仮定すれば、約626kmだ。
そこまでギリギリの水素残量で走ることはないと思うが、それでも1回の水素充填で安心して500km以上走行可能だろう。燃費が伸びる高速道路巡航であったり、アクセルワークに気をつけたり、シートヒーターを活用してエアコンの使用頻度を抑えたり、エコモードをうまく使えば600km前後は走れそうだ。
今回のロングドライブテストの結果、限りなく普段乗りに近い条件でも初代に比べて200kmほど航続距離が伸びていることがわかった。
「たった200kmしか伸びていないの?」「カタログ値より200kmも短いの?」と感じるかもしれないが、この差は非常に大きい。例えば、東京―大阪の片道が500kmほどなので、初代では途中で水素充填が必要だった。しかし、新型であれば充填なしで移動可能だ。とくに水素ステーションは、都市圏が中心で地方に少なく、都市部であっても夜間営業しておらず、営業時間は9:00〜17:00、長くても9:00〜21:00だ。そう考えると、大都市間を1回の充填で移動できるというのは大きな進化と言えるだろう。
水素の価格は1100円/kg、コストはガソリン車と同等
ちなみに水素の値段は、水素ステーションによって多少差はあるが、岩谷瓦斯株式会社(以下、イワタニ)が運営している水素ステーションの場合は全国一律1100円/kgとなっている。この価格設定は、水素ステーションの運営開始にあたってガソリン車と同等のランニングコストを想定しているそうだ。
実際に新型MIRAIの場合、タンク容量が5.6kgなので、完全に空っぽの状態で充填して6160円になる。それで600km前後の航続距離と考えれば、ランニングコストの面でも不満はでないだろう。「今後は、もっと水素を利用してもらえるように価格を抑える研究・開発に力を入れています。水素は、燃料電池車だけではなく、将来的に発電等にも拡大する可能性があるので、そうなれば低価格化もどんどん進んでいくはずです」とイワタニ・広報の岡田さんが付け加えてくれた。
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