「新型MIRAI」乗ってわかった航続距離のリアル 水素充填なしで東京―大阪間の移動が可能に!

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今までは航続距離の問題もあり、燃料電池車を選択しづらい部分があった。しかし、新型MIRAIは、航続距離も実測600km前後に伸び、一気に現実味を帯びてきたと言える。とはいえ、それは水素ステーションというインフラ整備次第というところもある。

そのあたりについても水素ステーションの運営をしているイワタニに聞いたが、「水素ステーションについては、国の水素・燃料電池戦略ロードマップで、2020年度中に160カ所、2025年までに320カ所を整備するという具体的な目標が掲げられています。実際に2020年12月末時点で137カ所が稼働しています。また、イワタニ水素ステーションも現在38カ所、2021年3月までに15カ所の開業を予定しています」という話だった。

こういった具体的な話を聞くと、電気自動車の充電スポットが急速に増えたように、今は珍しい水素ステーションも近い将来、一気に身近なものになる可能性を感じる。そうなれば、水素の価格も下がるかもしれないし、ガソリンのように場所を問わず、気軽に水素を充填できるようになるだろう。

家庭用カセットコンロのガスボンベでもおなじみにイワタニ。水素ステーションの運営も行っている(東洋経済オンライン編集部撮影)

燃料電池車という選択肢を考える時期がやっときた!

燃料電池車の導入といえば、今まで官公庁や企業が中心だった。その理由としては、大都市部にしか水素ステーションがなかったり、航続距離が短かったりという課題が多かったからだ。

街中にも溶け込むスタイリングが魅力的な新型MIRAI。派手さはないが、ラグジュアリーカーとしての風格が漂う(東京経済オンライン編集部撮影)

しかし、現在は官民一体でインフラ整備が進められており、航続距離の問題も解決されつつある。今回は、航続可能距離の話題を中心にまとめたので、走行性能にあまり触れていないが、新型MIRAIはかなり高いレベルに仕上がっている。やっと一般ユーザーでも燃料電池車を選択する余地が出てきたように感じる。

実際に今回試乗車をお借りした東京のトヨタ販売店「トヨタモビリティ東京」でも、一般ユーザーからの感心が高く、試乗に訪れるケースが増えていると教えてくれた。その多くは、エコカーとしてではなく、高級輸入車からの代替えや、テスラといった電気自動車との比較検討層が多いそうだ。

「ポルシェやBMWといった高級輸入車を所有し、クルマに乗り慣れた方々が興味を持ち、試乗に来られている印象です。それも会社用ではなく、ステータスとして個人で購入を検討しているようですね」と、MIRAIに対するユーザーの見方も変わってきていると実感しているそうだ。

まだ珍しい燃料電池車だが、ガソリン車廃止という世界的な流れもあり、普及する可能性は十分あるだろう。とはいえ、燃料電池車の選択肢は、新型MIRAIのほか、ホンダ「クラリティFUEL CELL」とメルセデス・ベンツ「GLC F-CELL」しかないのが現状だ。その中でも新型MIRAIは、普及の大きなカギを握っていることは間違いないだろう。

三木宏章 東洋経済オンライン編集者・記者

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みき ひろあき / Hiroaki Miki

1984年5月5日生まれ。三重県出身。鳥羽商船高等専門学校・電子機械工学科卒。チューニングカー雑誌の編集者としてキャリアをスタート。その後は、パソコン/スマートフォン/ガジェット等の雑誌編集、ITコンサルティング会社にてWEBコンテンツ企画・製作等を担当。得意分野は自動車を中心にものづくり全般。また、過去に1年半で17ヶ国、バックパッカーとして放浪した経験もあり。

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