シングル母が「慣れない台湾」移住した驚きの訳 日本と台湾では"周囲の反応"がまったく違う

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近藤さんがかつてシングルマザー生活を送った長野での1枚。毎日の雪かきが家事として加わる豪雪地帯では、シングルマザー生活はさらに過酷になる(写真提供:近藤さん) 

近藤さんが、シングルマザーとして生きる場所に台湾を選んでよかったと今でも言う理由は他にもあります。

ひとつは、台湾人がとにかく子どもに優しいこと。(これは私もかつて旅行で実感! 子どもに優しいというより子ども大好き! という感じで、どこでもわらわら人が集まって子どもの相手をしてくれるのです。この点では世界一だと個人的には思っています)。

そして、母親が子育てしながら働くのが当たり前なので、シッター文化も充実していて、かつ働くことに罪悪感を抱かないでいいこと。

さらにもうひとつ、台湾そのものが理不尽な状態に置かれている、ということも大きかったそう。ご存じの通り、台湾は日本からも国として正式に認められていないので、正式には国境がなく、WHOにも国連にも加盟できていません。

不安定な立場ゆえに、為政者が変わるたびに法律も変わる。中国との関係など、いろんなことに振り回される。そんな状況でも、台湾の人々はたくましく明るく生きている。そんな姿に「先の見えない状況でも、前へ前へと道を歩んでいる!」と励まされたのだそうです。

「自己肯定感」の大切さ

近藤さんの著書『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

今回、近藤さんの話を聞いて、あらためて考えさせられたのは「自己肯定感」の大事さ。パートナーとうまくいかないとき、つい人は「自分に問題があるからだ」「自分のせいで子どもに申し訳ない」と自己肯定感が下がりがちです。でも、夫婦のトラブルにおいては、その原因が自分だけにあるなんてことはありえないのです。

だから、パートナーとうまくいっていないときこそ、「自己肯定感を上げてくれる場所」を意識的に探すことが大事。近藤さんのように海外まで行かなくても、オンラインなどを利用すればいろんなコミュニティを見つけやすいのが今という時代です。まっとうに誠実に生きてさえいれば、きっとそれを評価して認めてくれる場所はこの世のどこかにあるはずなのです。

というわけで、今回学んだつかれない家族になるヒントは……

パートナーとうまくいかず、自分という人間につかれた

夫婦問題の原因は自分だけにあるわけじゃない
意識的に「自己肯定感の上がる場所」を探そう

 

こうして再度台湾に移住した近藤さんですが、波乱万丈な生活は続きます。次回は、シングルマザー時代に近藤さんが落ちそうになった闇と、そこからどう抜け出したかについて紹介します。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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