環境破壊を「甘く見る人」が2040年直面する苦難 今後「戦争の引き金」にだってなりうる
このまま進むと、飢餓に満ちた世界が必ずくる
世界は今、環境破壊によるリスクがかつてないほど大きなものになっている。遠い未来のことだと思っている人もいるかもしれない。しかし、環境破壊が今どう起こっているのか、何に影響があるのかきちんと把握しておくべきだ。直接あなたに重大な影響を及ぼす未来だからだ。
中でも、最も避けられそうもないのが温暖化だ。このまま何の対策も講じなければ、今から2100年までに地球の平均気温は4度上昇する。これがどのくらい異常なことかというと、1880年から2012年までの世界の平均気温の上昇は、1度にも満たない。
4度上がると何が起こるか。気温が上昇すれば、海水の温度も当然上昇する。そうすると、ほぼすべてのサンゴ礁が白化、絶滅する。サンゴ礁には海洋生物種の3割以上が生息するといわれており、結果的に、数億人の人々の食料事情が深刻なものになる。
気温が上がると、生物は生息に適した環境を求めて移動するが、間に合わなかったり、移動が不可能だったりした場合、もちろん絶滅する。そして、生態系に空白地帯が生まれると小型生物が大型化する。ネズミがウサギくらいのサイズになってもおかしくない。
海水の温度が上がれば、北極の海氷や陸地にある氷河を溶かし、海面が上昇する。2030年頃には、海面が少なくとも15センチは上昇するとの試算もある。
これによって何が起こるか。たとえば、地中海の海面が20~50センチ上昇してしまうと、最悪のケースではエジプトのアレクサンドリアの堤防が決壊し、人類の遺産は崩壊する。東南アジアでは2030年頃までに75センチ上昇する可能性があり、そのままいくと2100年にはタイのバンコクの3分の2は水没する。
2100年と聞くと、ものすごい未来に見えるかもしれないが、医学の進歩で人は100年は生きるだろうから、現在の20歳以下が生きている世界だ。
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