環境破壊を「甘く見る人」が2040年直面する苦難 今後「戦争の引き金」にだってなりうる
ちなみに最悪の場合、2100年には日本は熱帯化している。夏の東京の昼間の気温は40度を超え、夜も30度をほとんど下回らない。米はとれなくなり、関東や近畿圏でバナナやパイナップルが栽培に適しているようになるだろう。
温暖化は食料不足も呼び起こす。ただでさえ世界的な人口増加があるのに、水の枯渇があり、作物の収穫量は減る。アフリカでは、トウモロコシやキビなどがとれる耕作地は半減する可能性もある。
こうなると、農作物の価格はもちろん上昇する。自給自足ができている国々でも、温暖化が進めば自給自足が難しくなり、飢餓が蔓延する。飢餓に苦しむ国々は食料を確保するため、隣国に攻め込むこともあるだろう。
突拍子もない話に聞こえるかもしれないが、日本があまりにも平和で現実感がないだけだ。このまま何も手を打たなければ、食料不足は確実にくる未来だ。飢餓が蔓延し、戦乱に陥るのはアフリカや南アジアでついこの間まで起きていた話である。
温暖化は、地球環境の悪化の大きな理由だ。温暖化による日本の自然災害はすでにはじまっている。
温暖化によって戦争が起こる
戦争は起こるのだろうか。資本主義先進国が繁栄したのは植民地からの収奪であることに異論はないだろう。先進国同士は植民地の資源をめぐって衝突した。戦争の理由は、基本的には資源と富の収奪だ。
温暖化により異常気象が続くと、危惧されるのは食料の奪い合いだ。人口が増え続ける未来では、将来の食料不足が懸念されるが、異常気象が食料難に拍車をかける。農作物がこれまでどおり育たなくなるからだ。地球温暖化で、生産に適した土地が年々限られるようになる。
とくに南半球はいまだに1次産業(農業、林業、鉱業、漁業)の比率が高いので死活問題になる。南半球で生産され、北半球で売られるものを「南北商品」といい、これらは彼らの生活を支えるが、温暖化によりすでに難しくなっているものもある。
南北商品の代表例はコーヒーだ。コーヒー生産の6割程度を占める「アラビカ種」の生産に適した土地が、温暖化により2050年に半減する危険性があるという。
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