「影響力のない人」がわかっていない2つの原則 人によって説得力に差が生まれてしまう理由
ポイントは誰かとの比較ではなく、本人の過去と現在に目を向けること。人は誰しも、自分のことを重要だと思いたいものです。その願いが満たされず、心が揺れ動いているときこそ、話し手は「あなたの存在そのものに価値がある」と伝えましょう。
相手が自分の成長や変化、持っている能力、価値を再発見できたとき、やる気は一気に高まります。まさに話し手の言葉によって、「ストレングス」されるのです。
「ストレングス」で自信を取り戻した人は…
好意は、人やグループに影響力を発揮するうえで欠かせない感情です。話し手であるあなたに対して聞き手が好意を抱くと、それが信頼関係を結ぶ土台となっていきます。
たとえば、歴史に名を残す大衆扇動家たちは聞き手である大衆の心に届く言葉を繰り出し、好意を引き出しています。アドルフ・ヒトラーは第1次世界大戦後の大不況で苦しい状況にいる国民に向け、「あなた方には戦う力があるはずだ」「どんな苦境に立たされてもドイツ国民としての誇りは失われていないはずだ」と働きかけ、支持を拡大。巧みな演説で国民の好意を引き出し、「我々が一致団結して戦うことができれば、必ず勝利が見える」と戦争に向けて国民を煽っていきました。
ヒトラーのしたことは許されるものではありませんが、彼が一流の大衆扇動家であったことは事実です。強い影響力を発揮する人は、周囲の人に対して「過去」と「現在」を比較しながら「あなたなら、できる」「あなたには、力がある」というメッセージを発し続けます。
「内向的な性格だからこそ、丁寧な仕事ができる」
「慎重な人にしか、気づけないことがある」
「どんな人も、必ず人生を変える力を持っている」
上滑りしていくお世辞や社交辞令ではなく、あなたの感情を込めた言葉で伝えましょう。
心からの期待を込め、相手の力を引き出すメッセージを伝えることで、人はポジティブな方向に動き出します。逆に、口からでまかせの励ましは利己的で、すぐに噓だと見破られます。そこに真実がないからです。
もし、あなたがパートナーや子ども、職場の上司や後輩など、周囲の人を説得し、動かしたいと願っているのならこの「ストレングス」を心がけてください。
相手の自己重要感を回復させ、自信を持たせること。これがうまくいけば、必ず相手は行動力を取り戻します。そして、自分に力を与えてくれたメッセージとその言葉を贈ってくれた人のことをずっと忘れずにいてくれるはずです。
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