在宅勤務で変わる「日本の働き方」の究極形態 外資コンサルや弁護士など「プロ集団」の働き方

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コンサルタントの採用がどうなっているかと言えば、アソシエイトの中でも、ジュニアの人たちは学卒採用だ。今は外資系コンサルティング会社の人気が高いので、一流大学の卒業生がこぞって応募し、厳しい選別を経て、職にありつく。もう少しシニアなアソシエイトは、日本やアメリカのMBAを取って入ってくる。

他業界で経験を積んでから、コンサルティング会社に入ってくる人もいるが、コンサルティングの経験のない人が、アソシエイトより上のポジションでいきなり入ってくるということは少ない。他業界で経験を積んだだけでは、コンサルティング業界で必要な情報の分析能力や仮設構築能力等を身に着けられないからである。

パートナーがプロジェクトを取ってくると、チームを組成する。どのように作るのかと言えば、適材適所での人材配置である。そのプロジェクトに近い分野で経験を持つプリンシパルかシニア・アソシエイトをプロジェクト・リーダーとして指名する。

そして、その下に、その業界での経験やそのプロジェクトで要求されるスキルを持っているアソシエイトを入れてチームを作る。チームの規模はプロジェクトの規模によって、3、4人のものから、10人、20人のものまである。

パートナーとしては、自分のクライアントにベストなサービスを提供するため、最高のチームを組成したいが、最適な経験を持つ人がほかのプロジェクトに携わっている場合には、手の空いているコンサルタントの中から選んでくる。

コンサルタントの人事評価の仕組み

こうした人選が行われる結果、人気のあるコンサルタントと人気のないコンサルタントの二極分化が起こる。分析力もあり、仮設構築能力もあるコンサルタントは、多くのパートナーやプリンシパルから引く手あまた。それがないコンサルタントは開店休業状態となる。

その結果を評価されるのが、毎年末のパフォーマンス・レビュー。毎年、自分の時間の何%をクライアントにビリング(請求)できたかという数字が、「ビラビリティー」として出てくる。人気のあるコンサルタントは、この「ビラビリティー」が80%とか90%とか高い数字になる。人気のない人は、50%とか60%とか低い数字になる。勿論、「ビラビリティー」以外に、プロジェクトの中での貢献度合いも評価の対象になる。

翌年の昇進昇級は、当然、このレビューの結果によって決まってくる。評価の高い人が昇進昇級を手に入れる一方、評価の悪い人は冷遇を受ける。評価の悪い人はいきなり首を切られるわけではないが、2年も3年も改善が見られないと、新天地で活躍することを促される。これをカウンセル・アウトという。そして、空いたポジションには、外から新しい人が入ってくる。

こうした流れが毎年繰り返されていくから、毎年人材がブラッシュ・アップされていく。こうした組織、人事制度を取ることで、初めてクライアントに質の高いアドバイスが提供できるのである。

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