リーフとノートe-POWERの似て非なる購入者 データ分析で見えた販売戦略とユーザーの本音
購入車に対する「こだわり度」の結果を紹介する。「ぜひこの車種にしたい」という思いが最も強いのはリーフだ。一方で、「特にボディタイプは意識しなかった」にあてはまる割合は、リーフ(20%)、ノート e-POWER(7%)、フィット(6%)、ヤリス(7%)、アクア(7%)となっている。
リーフにはこだわるが、それはCセグメントハッチバックとしてリーフを見ているのではなく、“EVであるリーフ”という見方をしていることがわかる。このあたりはイメージ通りの結果であろう。
この傾向はほかにも出ており、「車の大きさに関係なく、この車が気に入ったので」にあてはまる割合は、リーフ(24%)、ノート e-POWER(17%)、フィット(13%)、ヤリス(12%)、アクア(16%)とこちらもリーフが最も高かった。
日産はリーフを通して、少なくとも国内においては「量産EV=リーフ」という認知を広く獲得している。その結果として「EVが欲しい→リーフを検討」という流れを作ることに成功。検討の過程で車両価格がネックになるようであれば、先に見たとおりキャンペーンや残クレ、充電プログラムといったアプローチで販売に結びつけている。
加えてノートにおいても、2020年11月に発表されたフルモデルチェンジで、パワートレインをe-POWERのみに絞ったように、電動化を推し進める日産のイメージを強固にしている。
すでにe-POWERのみで発売されている「キックス」、そして発売を控える高級EVの「アリア」といった車種によって、さらに電動化へのメッセージは際立つだろう。実際、リーフユーザーの最終比較検討車(最後まで悩んだ1台)を見てみると、トップはノートとなっている。
e-POWERとEVは、パワートレインや給電が必要かどうかという点で、実際は大きく異なる。しかし、購入者のうちのそれなりの人々が、双方を比較検討していることは興味深い。
最後にデータを1つ紹介する。購入理由のうち、「長く乗るつもりなので」という選択肢がある。
この選択肢を選んだ割合は、ノート e-POWER(51%)、フィット(54%)、ヤリス(48%)、アクア(51%)に対し、リーフは38%と低かったのだ。冒頭で確認した年代構成では、車種間で大きな差がなかったのにもかかわらず、である。
リーフユーザーには「長く乗るつもりではない」人が比較的多いことになるが、その理由はなんだろうか。今回のデータではその答えを突き止めることはできなかったが、次々と発売される「次世代車への期待」や「バッテリー劣化への不安」などが考えられそうだ。いずれ、どこかでデータとともに示したいと思う。
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