リーフとノートe-POWERの似て非なる購入者

データ分析で見えた販売戦略とユーザーの本音

購入時の状況について確認してみよう。「支払い方法」を見てみると、リーフユーザーの現金一括購入の少なさ、そしてディーラーでの残クレ(残価設定型ローン)の利用率の高さがビビットに出ている。

EVは、バッテリー価格が車両価格の約1/3を占めると言われるなど、ガソリン車やハイブリッド車と比較すると車両価格は高額になる。もちろん、国や自治体からの補助金があるのでいくらかは緩和されるが、その代わりに一定期間の保有義務が発生する。トータルで見れば、車格に対して高額であることは否めない。

そこに対して日産は、販売店や中古市場と連携しながら残価率をコントロールすることで、残クレという販売方法を有効活用し、販売を押し上げている。

無論、販売施策として「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2(ZESP2)」の存在が大きかったことは無視できない。このプログラムは、月額2000円(税抜)で急速充電器が使い放題になるというものであった。

急速充電し放題がZESP2の魅力だったが……(写真:日産自動車)

ただし、ZESP2は2019年12月をもって新規受付を終了し、「ZESP3」へと引き継がれた。充電スタイルによって評価は分かれるが、ZESP2のほうが使い勝手がよかったと感じるユーザーは少なくない。

「この時期」に購入した理由も確認してみよう。

リーフで特徴的なのは「補助金を利用できた」の高さ。加えて、「購入条件が気に入った」「営業スタッフの熱意に負けて」「特別セール」といったセールスに関する項目のスコアも高い。

一方で「前のクルマの車検時期が来た」のスコアは低いので、購入タイミングを前倒している人が多く、先述した日産の販売施策の結果が出ていると見える。

EVらしい点は高評価だが…

「気に入った点」の評価からもリーフを見てみると、「燃料代/電気代が安くすむ」「静寂性」「環境問題への配慮」といった、EVがもたらす特徴が強く評価されていることがわかる。

「EV購入者は環境意識よりも、EVならではの加速や静寂性を理由に購入しているのではないか」という言説もあるが、今回の結果を見るに環境意識は高い。

一方で、「車両価格」「室内の広さ」「荷室の広さ」「実用上の使い勝手」といった項目は軒並み低く、リーフという車種そのもの、そしてEVという自動車の在り方それぞれに課題があるようだ。

「動力性能」ではノートがリーフをわずかに上回り、今回取り上げる車種の中ではトップとなった。

シリーズ式ハイブリッドによる電気の走りに対する、ユーザー評価は高いのだ。コンパクトカー市場はつねに激戦を繰り広げているが、ノートはe-POWERによって差別化を図ることができたといえる。

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