コロナ禍で人々を苦しめる2つの不安の「正体」 不安に押しつぶされる前に原因を突き止めよう
どちらの不安にしても、不安はもともと私たちが持っている脳の防衛本能の一種です。脳の仕組み、生命維持のための防衛本能なのです。人類は「常に最悪の事態を想定する」という取り越し苦労のおかげで外敵を警戒し、命を守り、子孫を繁栄させてきました現代でも、「最悪の結果を想定したうえで、そうならないように対策を練る」という取り越し苦労のおかげで、不測の事態を回避できている面もあるのです。
さらに、経営者やトップアスリートには、取り越し苦労派や持ち越し苦労派の方も多く、「不安=悪」というわけではありません。
そうはいっても、不安すぎる状態からは抜け出したいし、これ以上落ち込みたくないですよね。不安は脳の防衛本能だから、ゼロにするのは難しい。でも、不安もエネルギーなので、扱い方によっては、前に進む力に変えることができます。
今の時代特有の2つの不安
ところで今の時代特有の不安について、考えたことがありますか? 今、誰もが共通して抱えている不安は、大きく分けると2つあります。1つは、「先が見えないのに自己責任で決めていかないといけない不安」です。
社会の仕組みも価値観も働き方も変わってきているのは、誰もが感じているのではないでしょうか。そんな中、「いい成績をとって、いい学校を卒業して、いい会社に入れば安泰」という時代ではなくなってきました。
これからの時代は、仕事も住む場所も自分で判断して、決めていく必要があります。「こうすれば安泰」という定石がない中で、自分で判断しなければならないことに対して不安になることもあるでしょう。
正解が見えない、もしくは目まぐるしく変化する中で、自己責任の範囲が広がっています。この先どうなるのかよくわからないのに、自分の決断と行動に責任をとらなければいけない……。そういう息苦しさを感じている方もいるでしょう。
もしかしたら、「誰かが指示命令したり、決めてくれたらラクなのに」と思っている方もいるかもしれません。昔は、上からの命令にさえ従っていれば、どうにか生活していくことができました。
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