TikTokで流行した「失神チャレンジ」の超危険 幼子の命を奪いかねない「ヤバい動画」の数々

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チャレンジ動画ではないが、YouTuber水溜りボンドの「電子レンジでノートをチンしたら文字が消えた」という動画を視聴した子どもが真似してノートが黒焦げになった事件も起きている(その後、動画は削除され、謝罪動画も出された)。

元の動画はフリクションペンで書いた文字が熱を与えることで消えるというものだったが、誤解した子どもが普通のペンで書いたノートを電子レンジで温めてしまったために起きた事故だった。このように、動画を見たことで子どもが危険行為に手を出すことは珍しくないのだ。

テレビの有名人たちが興じるクイズや罰ゲームを真似したことのある大人は多いだろう。低年齢の子どもたちにとってもそれは同じで、その行為自体がどれだけ危険なのか理解できない子は少なくない。結果、「動画で見たから」というだけで真似して大事故につながってしまう例が後を絶たないわけだ。

TikTokでは、今もYouTubeやInstagramで起きた危険が繰り返されている。

たとえば自撮り撮影をしようとして死亡する事故は、これまでInstagramが多かった。高所で自撮りして転落死したり、運転しながら自撮りして事故死するなどの例が後を絶たなかった。ところが最近では、同様のことがTikTokでも起きており、2021年1月には、線路を歩きながら友だちとTikTok動画を撮影していたパキスタンの少年(18)が撮影中に列車に衝突、死亡している。

10代の若者たちはSNSを好み、中にはSNSがメインの情報収集メディアとなっている人もいる。最近は特に動画コンテンツに人気が集まっており、自らも撮影、投稿するという人は多い。もちろんどのサービスを使ってもこのような危険は起きてしまう可能性がある。TikTokも、今後は危険なチャレンジやいたずらなどの動画は規制していくべきだろう。

大事なのは「保護者が子どもを見守る」こと

冒頭で紹介したように、対象年齢外の低年齢の子どもが問題に巻き込まれる例も増えている。TikTokは13歳以上を対象としたサービスにもかかわらず、現状では小学生女児にもとても人気となっている。私の知るある小学3年女児は、人気のダンスを友だちと踊り、三脚で立てたスマホで撮影、投稿することにはまっている。

対策としてTikTokは、2020年1月には新規登録時の年齢認証を導入、16歳未満のアカウントは初期設定非公開とし、おすすめ表示もオフとするなど、未成年の安全対策を急いでいる。しかしあくまで自己申告制なので、生年を偽れば登録可能なうえ、以前に登録していた場合は使えなくなることはない。その点は、保護者が子どもが隠れて使わないよう見守りが必要だろう。

繰り返すが、このようなリスクはどのサービスでも起きることだ。保護者はどのような使い方をすればどのようなリスクにつながるのかを知り、子どもに伝え、使わせるのであればしっかりと見守ってほしい。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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