ゲレンデに客を呼び戻した白馬五竜スキー場の挑戦

あれから20年--。2007年の全国スキー場利用客数は延べ3億1630万人。ピークを極めた1994年のわずか4割と、もはや往年の影さえない。日本中にスキーブームを巻き起こした映画『私をスキーに連れてって』が公開されたのは87年。ウインターシーズンの到来を待ちきれず、多くの人が雪山に押し寄せ、新しいスキー場が次々と開発されていった。 

それが今、週末にもかかわらず、多くのスキー場で閑古鳥が鳴く。ブーム時の過大な設備投資がたたり、多額の債務に苦しんでいるスキー場も少なくない。長野経済研究所が県内のスキー場事業にかかわる索道事業者(リフトやロープウェー等の運営業者)に行った調査(06年12月実施)では、過半数が「(05年度シーズンの)収支状況は赤字」とし、その6割近くが1億円以上の累積赤字を抱えていると回答した。

これでは新たな設備投資どころではない。圧雪面積やリフトの稼働を減らすなど、コスト削減が最優先。リフトやゴンドラのメンテナンス費用を捻出することさえ苦しくなれば、安全性にも問題が生じる。

全国に550~600カ所といわれているスキー場の数、実は最盛期の90年代初頭からほとんど変化がない。スキー需要がこれほど減退しているにもかかわらず、である。

スキー場を閉鎖するには、リフト撤去や植林などで現況復帰させなければならない、という林野庁の規制があり、閉鎖しようにもカネがないのが理由の一つ。だが、スキー場再生を手掛けるコンサルタントの坂倉海彦氏は、「複雑に絡み合う地域の利権や、自治体の介入などにより、閉鎖を決断できる者がいないという理由のほうが大きい」と明かす。

市場縮小に伴う淘汰がされず、供給過多のまま自らの首を絞めている--。それが、今日のスキー場業界なのだという。

そんな中、シーズンごと着実に集客を維持しているスキー場がある。  

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