確定申告「雑にやる人」が今年要注意の6つの点 ややこしい「変更ポイント」を図解で解説

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
⑤寡婦、ひとり親の人に関係する改正

寡婦、ひとり親の人に関係するものでは、大きく3つの改正があります。また、「寡婦、寡夫控除」という名称が「寡婦、ひとり親控除」という名称に変更されました。

改正の1つ目は、未婚のシングルマザー・ファーザーの人も控除を受けられるようになったことです。従来は結婚していた人でないと、控除が認められませんでした。これは減税となる改正で、控除額は35万円となります。

2つ目は、寡夫控除が廃止されて、「ひとり親控除」に統合されたことです。控除額は従来の27万円から35万円に引き上げられ、減税となります。

3つ目は、「合計所得500万円以下」という所得制限が加わったことです。従来は、夫と死別・離婚して子どもか扶養親族のいる人であれば、所得と関係なく、控除を受けることができました。合計所得が500万円を超える方は対象から外されますので、増税となります。

具体的な要件などをまとめると、次のようになります。

確定申告の際には改正内容をよく確認して

⑥配偶者、扶養親族に関係する改正
『自分ですらすらできる確定申告の書き方 令和3年3月15日締切分』(KADOKAWA)書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

注意したい改正点の最後は、配偶者や扶養親族がいる人に関係する改正です。

控除の対象にできる家族の所得(合計所得)が10万円引き上げられました。

扶養控除と配偶者控除は、合計所得48万円以下(改正前38万円以下)になり、配偶者特別控除は、合計所得48万円超133万円以下(改正前38万円超123万円以下)となります。

ただし、合計所得が10万円引き上げられた一方、給与所得控除額も10万円引き下げられたため、対象となる年収は従来と同じです。具体的には、扶養控除と配偶者控除は給与年収が103万円以下、配偶者特別控除は103万円超201万5999円以下であることが条件となります。

以上、今年の変更点をご紹介しました。今回の改正は、フリーランスやシングルマザーの方は減税、給与年収が高い方は増税など、ケースによって増税と減税に分かれます。また、青色申告をしている人は、e-Taxを使わないと増税です。

今年は、所得金額調整控除も創設されましたので、改正内容についてよく確認をして確定申告をしていただくとよいでしょう。

(構成:前窪明子)

渡辺 義則 公認会計士・税理士

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

わたなべ よしのり / Yoshinori Watanabe

中央大学商学部卒業。外資系監査法人、経営コンサルタント会社を経て、現在、渡辺公認会計士事務所所長。中小企業の経営・税務の指導に当たるとともに、株式公開、相続対策セミナーの講師などを担当し、幅広く活動。著書に累計90万部を突破したシリーズ『自分ですらすらできる確定申告の書き方』(KADOKAWA)がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事