金銭感覚でフラれ続けた39歳男がつかんだ幸せ 「駐車場代が高い!」の一体何がいけないのか

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“価値観の相違”とは、離婚理由にもよく使われるが、これほど抽象的な言葉はない。そもそもお互いが違う環境で生まれ育ってきたのだから、価値観がぴったりと合う相手などいるはずもないのだ。

私は、この電話を切った後に、すぐに義昭に連絡を入れた。そして、相手の相談室から言われた破談理由を告げた。

「そうですか。というか、3日前からLINEの返信がないんです。電話をかけたけれど、携帯を切っているのかつながらなくて」

「価値観が合わないって、何か心当たりはあるの?」

「うーん、おそらくなんですけど、お金の話だと思います。“結婚したら1カ月にどのくらいの金額で生活をやりくりするか”の話をして別れた日から、彼女の態度が急に素っ気なくなったんです」

弓枝は、義昭に、「ひと月当たり、25万円を家計に入れてほしい」と言ったそうだ。そこに自分が、5万円を足して、30万円を1カ月の家計のお金とする。ただしここには、家賃や水道光熱費は含まれていない。それらはすべて義昭が負担する。

「家賃とインフラを別にして、なんで30万円も家計に必要なの?」と義昭が聞くと、弓枝は平然とした顔で言った。

「30万円といっても、家計は10万円でやりくりして、20万円は貯金したいの」

「1カ月に20万円も貯金をする必要があるのかな? 僕が15万円入れて、弓ちゃんが5万円入れて、20万円にして、10万円貯金するんじゃ、ダメなの?」

「……」

義昭は、年収が1000万円以上あったので、弓枝の要求に応えられないわけではない。しかし、自営業だったので、家計に多くのお金を貯金するのではなく、会社にプールしておきたいのが本音だった。

このやりとりの後、彼女が急に素っ気なくなり、その3日後から、連絡が取れなくなったという。

そして、弓枝の相談室から婚約解消の連絡が私のところに来た。

最後の話し合いもかなわず

女性は、いったん気持ちが裏返ってしまうと、もう元には戻らない人が多い。また、結婚は両者の合意の下に成立するものなので、「結婚をやめたい」と相手が言っている以上、無理やり結婚するわけにもいかない。

義昭は、私に言った。

「気持ちが変わってしまったのなら、仕方がないです。ただ、最後にちゃんと話し合いをしたい。僕は、誠心誠意彼女に向き合ってきたつもりだし、お金の話をしたら、態度が変わるって、どうなのかな。僕と結婚したいというのは、お金目的だったんですかね」

私は、弓枝の相談室に、「最後の話し合いをさせてもらえませんか?」と伝えた。しかし、弓枝は入っていた相談室に退会届を一方的に送りつけ、そのまま退会して、連絡が取れなくなってしまった。

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