ただ、男性の収入が多い少ないには関係なく、お財布を開くときに、値段の“高い”“安い”を言うのは、女性たちから嫌われる傾向にある。これは、意識すれば直ることなので、あえて伝えることにした。
「そうですか。また価値観か。難しいですねぇ。あと、駐車場代は、“高っ”とか言ったかな。あ、言ったかもしれない。ポロッと出ちゃったんですよね。これからは気をつけます」
最終的に選んだのは地味で堅実な女性
そして、12月に入り、義昭からこんなLINEが来た。
「家を引っ越すことにしました。自分の中で、気持ちをリセットするには、何をすればいいかを考えたときに、住んでいる環境を変えるのがいちばんかなって。この家には、結婚がダメになった女性も遊びに来ていたし。引っ越しをして、気持ちをリセットして、新しい年を迎えようと思います」
コロナ禍で引っ越しをする人も少なかったようで、物件はすぐに見つかった。引っ越し業者の予約も希望の日程で取れた。そして、歩みを止めることなく、婚活を続けた。
すると、年の瀬に連絡が来た。
「今、お付き合いに入っている朱美さんのことで、ご相談があります。ポジティブな話です。お時間を取っていただけませんか?」
そこで、ある夜、電話で話を聞くことにした。
「朱美さんとは、お付き合いも順調で、『早く一緒になりたい』と、彼女のほうから言ってもらいました。前回のことがあったので、お金の話もキチンとしました。『ぜいたくはさせてあげられないけれど、人並みの生活はできるように、僕は頑張って働いていくよ』と」
結婚がダメになった弓枝は、どちらかといえば派手で華やかだったが、朱美は対極にいるタイプで、地味で堅実な印象だった。
「ただ、前のことがあるので、またダメになるんじゃないかと心配だし、慎重に丁寧に話を進めていこうと思っています。 “相談所で出会った女性との結婚がダメになった”という話もしたんですけど、彼女は、『私は、高い結婚指輪もいらないし、ぜいたくしなくていいから、いつも2人が笑って過ごせるような温かな家庭を築きたい』て、言ってくれました」
そして、先日、正式にプロボーズをし、緊急事態宣言が出ている期間だったので、地方出身者である彼女の両親とは電話で話し、結婚の許可をいただいたという。
「2月のよき日に入籍します」
今度こそ、幸せになってほしい。今度こそ、“結婚のお祝い会”も、やれそうだ。
本当におめでとう。人生にはいろいろなことがあるけれど、最終的に幸せになった者が、勝ち!
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