ほかのメンバーたちも彼女自身も心地よく働けるように、体制やコミュニケーションルールを変える提案をしたり、彼女の真意をくみ取って仕事を差配したり、自分のマネジメントの力を伸ばしてみる機会だととらえてみる。ビジネスで成功を収めさめた上司から仕事を学び、マネジメントスキルも磨け、女性ビジネスマンとしての在り方を考えることもできる、すごいチャンスじゃありませんか。
本来は、上司自身がわが身を振り返り、かたくなな気持ちを解くべきです。でも求めたい結果は「旅人のマントを脱がせる」ということなのですから、何も正攻法で北風を吹きつけなくてもいいはずです。
彼女を助ければ、あなたの力になる
企業の経営者は、私たちが思うよりずっと孤独で、厳しい経験を積み重ね、悩み続けているのだと思います。彼女が彼女の強みを発揮し、あなたも新たな強みを手に入れる。そんな気持ちでもう少し彼女とのご縁を大切にしていただきたいなと思いました。
個人的なこれまでのマネジメント経験から言うと、「部下に嫌われてなんぼ」とわかっていながら、「嫌われている」と感じることは、実はそれなりにこたえるものです。女性メンバーが女性である自分を「ああなりたくない」と思っていることを知るのは、とても寂しい気持ちにもなります。そう思われる理由が、自分の言動にあることもよくわかっています。自分と同じ人なんていないのだ、と知りながらも、同じ厳しさで要望してしまうのは、本当は「彼女ならもっとできるはず!」「私にだってできたのよ」と期待し、逆に過去の自分を重ねてしまうからでもあります。
あなたの「鬼女上司」は、仕事はともかくとして、人間関係を築くのが不器用で、自己開示が下手なのです。だからこそ、あなたがスタンスを定め、彼女を助けて一緒にビジネスをしたとしたら、将来、あなたが独立するとき、どれくらいすばらしいコーチになってくれるかわかりませんよ。少なくとも、私は彼女と一杯飲みたくなってしまいましたし、あなたのような部下がいる彼女がうらやましくなりました。
彼女の優れたところをたくさん見つけ、彼女にフィードバックし、再び自信を持たせてあげられるのはあなたしかいない。もう一度、右腕になって、二人三脚でビジネスを成功させてくださるといいなぁと心から思います。
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