前年比57%となった日産「リーフ」の息切れ感

年間1万台は悪くないが大胆なテコ入れが必要

それによるとリーフの累計販売台数は、発売5年で20万台。年間4万台ペースだが、その多くは海外市場向けだ。日本は、5年間で5万台。つまり年間1万台ペースであった。つまり、リーフの2020年の1万1286台の販売は、初代モデルのアベレージと同等なのだ。

初代「リーフ」(写真:日産自動車)

ここで2017年9月に発売された第2世代の販売台数を振り返ってみると、2018年に年間2万5722台、2019年に1万9789台と、初代を上回る台数を販売している。つまり、2代目はスタートダッシュに成功して、3年目となる2020年に息切れしてしまったという構図になる。

しかし、それでも輸入ブランドよりは売れているし、初代よりはいいペースなのだ。

また、進化の速い自動車業界の中で、デビュー3年といえば、さすがにフレッシュさは失せる。しかし、それでもリーフは、性能的に欧米の新鋭EVに劣ることはない。その性能を比較するべき数値が交流電力量消費率だ。これは1kmの距離を走行するのに必要な電力量を意味する。

効率のよさは圧倒的に上回る

ガソリン車の燃費性能と同じように、どれだけ効率よく走れるかを見るためのもので、数値が少ないほど効率がよく、同じ電池容量であれば、この数値が少ないほど、より遠くまで走れる。

航続距離は、搭載する電池の容量が肝となるが、一方で効率のよさも重要となるのだ。リーフは、その交流電力量消費率に優れており、WLTCモードで155Wh/km、JC08モードで120Wh/kmとなっている。

これに対して、欧米ブランドのEVの数値がどうかといえば、メルセデス・ベンツEQCは245Wh/km(WLTCモード)。アウディのe-tron sportbackは、223~237Wh/km(WLTCモード)。ヘビー級のSUVということもあり、同じ1kmの距離を走るのに1.5倍以上も電力が必要なのだ。

メルセデス・ベンツ「EQC」(写真:メルセデス・ベンツ日本)

また、コンパクトカーのプジョーe-208は、131Wh/km(JC08モード)、DSのDS3 CROSSBACK E-TENSEが135Wh/km(JC08モード)。BMWのi3で127Wh/km(WLTCモード)と、コンパクトカーと比較しても、リーフの効率が上回っている。

ガソリン車ではなくEVを選ぶ理由が、環境への優しさであれば、当然、消費電力の少ないクルマが求められる。そういう意味でリーフの効率のよさは、EVとして正しく優秀だといえるのだ。

とはいえ、2020年の販売成績が前年比57%になってしまったことに、日産にとっても忸怩たる思いがあるはず。その思いを晴らすためにも、何かしらかのテコ入れが行われることだろう。2021年のリーフの逆襲に期待したい。

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