「不安なのに何もできない人」が陥っている状態 失敗するのを恐れすぎて動けないことの無意味

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東京オリンピックのことが話題に上がることは、ほとんどありません。新型コロナウイルスが終息する見込みはあるのか? 給付金や助成金はいつもらえるのか? 台風、洪水、地震などの異常気象や天変地異への不安、企業の倒産やボーナスカットのニュースなど、年初に予想していたのとはまったく違う展開になっています。

今回は「時代が変わる」くらいに捉えておいたほうがよさそうです。しかも変化は、まだ始まったばかりです。こういう変化が激しく、先が読めない時期というのは、根拠のない楽観論も根拠のない悲観論も効果的ではありません。これからの激変の数年間は、出口も見つけにくいし、正解も見えにくいし、正解だったはずのものが一瞬で逆になるということが起こります。

だからこそ、1人ひとりが自分の頭で考え、自分の心の声に素直に耳を傾けることが大事です。さらに、情報を一方的に収集するだけでなく、取捨選択し、分析し、仮説を立て、行動していくことが必要になります。

正解発想の人ほど、守りに入りがち

・失敗はしてはいけない
・一度でうまくいかないといけない
・正しい答えを見つけないといけない
・正解はたった1つしかない
・やるからには完璧でないといけない
・成果が出るまで継続しないといけない
・しっかり調べて、事前に準備をしてからでないと挑戦してはいけない

こういった思い込みがある方は、足が止まっている場合が多いです。かつての私がそうだったのでよくわかります。特に、「こうすればうまくいく」「こうすれば幸せになる」「こうしたら一生安泰」という正解がない状況では、どこを目指したらいいかわからなくなってしまいます。行くべき方向、目指すべき方向を見失うと、さらに不安になります。すると現状維持、とりあえず今までと同じ状況を死守したくなるのです。

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結果的に、いつもと同じことの繰り返しで、1週間、1カ月、半年、1年が過ぎてしまいます。さらに、このような正解発想や完璧主義のままだと、行動する前に気負いすぎて疲れてしまいます。

もしあなたが、不安で先が見通せない状況だとしても、本気で変わりたい、次のステージに行きたい、自分の夢や目標を実現したいと思っているのであれば、予定調和の日常から一歩踏み出す必要があります。不安への対処法の第一歩は、行動すること。安心してください。そうはいっても、いきなり大逆転を狙わなくても大丈夫です。「まず一歩踏み出すだけ」でいいのです。

大平 信孝 メンタルコーチ

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おおひら のぶたか

株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。メンタルコーチ。中央大学卒業。長野県出身。会社員時代、自身が部下育成に悩んだ経験から、脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。部下育成のためのメソッド「行動イノベーション・トーク」を広めるべく、「行動イノベーションアカデミー」を運営。これまでサポートしてきた企業は、IT、通信教育、商社、医療、美容、小売りなど40以上の業種にわたる。主な著書に、『本気で変わりたい人の行動イノベーション』(秀和システム)、『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大和書房)、『指示待ち部下が自ら考え動き出す!』(かんき出版)など。

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