「挫折に弱い子ども」と「強い子ども」の決定的差 「説教」や「叱る行為」は子どもの成長に必要ない

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自分の子どもを「挫折に負けない子」に育てる親の口癖とは? (写真:プラナ/PIXTA)
いじめを受けた子や発達障害の子を多く受け入れたにもかかわらず、不登校ゼロを達成し、「奇跡の公立小学校」とまで言われた大阪市の大空小学校。同校の初代校長として9年間、多くの子どもたちを育てた木村泰子氏が「子育てで大事なこと」を明かす。
第3回のテーマは「挫折に負けない子の育て方」について。書籍『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』より一部抜粋・再構成してお届けする。
第1回子供を「生きづらい大人」に育てない親の心構え
第2回「面倒くさい」が口癖の子供を諭す"魔法の言葉"

なぜ今の子どもたちや若者は失敗を恐れ、チャレンジしないかというと、失敗したら叱られる、失敗したら困るという経験値を持っているから。だから、失敗は子どもにとってピンチになってしまうのです。

大人ってずるいんです。「失敗してもいいよ」と口では言いながら、本当に失敗したら、怒ったり、怒らないまでもがっかりしたりする。その大人を子どもは全部見抜いています。どんな子も、です。見抜いていても口に出さないだけです。

例えば、失敗して大人にガーッと怒られたり説教されたりするでしょう。それで「わかったの?」って聞かれたら、「うん」と答える。黙って素直に聞いていれば早く終わるからです。

「消極的な子ども」が増える理由

失敗を恐れるとどうなるかというと当然、失敗しないようにします。失敗しない方法はただひとつ、「行動をしないこと」です。

行動をすれば、矢が刺さる。何か言われる。でも行動しなければ、誰からも何も言われないし、恨まれもしない。自分を守ることができるんです。だから、自分という殻に閉じ込もって社会に出て行く子が増えてしまうんです。

社会に出て仕事に就いても、自分の仕事の範囲を決めてほしい、誰かと共同してやるのはお断り、自分のことだけやりたい、与えられたノルマだけをこなしていく、といった傾向が顕著に表れています。

教育現場である学校でも、いじめにつながったらいけないからと、トラブルを起こさないように、子どもが失敗しないような教育をしています。失敗経験のないまま大人になってしまったら、恐ろしくてチャレンジなんかできないのは当たり前です。

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