お金の長期運用に必須!「株価指数」本当の見方 日本の問題点は?投資のプロが「超基本」を解説

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ケイ:「株価指数の進化」とは次の3つ。ひとつずつ説明していこう。

公平性を高め、投資家目線で進化する「株価指数」

第1の進化:「メディア企業」から「民間指数会社」へ
第2の進化:「取引所」から「民間指数会社」へ
第3の進化:「全銘柄指数」から「選抜指数」へ

ケイ:まずは「第1の進化」だ。例えばアメリカの「ダウ工業株30種平均」はもともと新聞社が算出・公表していたけど、現在は「民間の指数会社」がその権利を持っている。新聞社などメディア企業が自社に広告を出してくれる企業を株価指数の銘柄に優先的に入れようとすれば、公平さが担保されなくなってしまうからだ。

姫野:なるほど。算出・公表元のメディアのお得意さんばかりが指数に含まれてしまう可能性があるわけですね。

ケイ:そう。そして世界各国の証券取引所からも株価指数が公表され、各国の株価の動きがわかるようになってとても便利なったんだけど、これらも公平性の面では問題があるんだ。

姫野:どうしてですか?

ケイ:なぜならメディアと同じように、取引所にとって上場している企業すべてが上場料を支払ってくれるお客さんだからだ。結果、「独立した民間指数会社」が投資家目線の指数をつくる役割として存在感を増してきた。これが「第2の進化」だね。

姫野:より公平性を高めるため、指数づくりに特化した会社が生まれたわけですね。その流れ、正しい気がします!

ケイ:そして投資家の立場では、上場しているすべての会社じゃなく、優良な企業がバランスよく選抜されている株価指数が望ましい。だから「全銘柄指数から、選抜指数へ」という「第3の進化」に続くんだ。例えば、イギリス、ドイツ、フランス、香港、インドなどの取引所が公表している代表的な指数は、30〜100社程度とかなり絞り込まれている。民間指数会社の指数で有名なものも、ほとんどが「選抜指数」となっているね。

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