受験まで1年「伸びる子」「苦しむ子」の決定的差 苦手科目を「戦力不足」と客観的に捉えられるか

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受験は「総合点」で合格が決まるため、極端に足を引っ張る科目があると確かに合格はできません。したがって、いわゆる苦手科目の克服は必要になります。しかし、ここからが大切なのですが、「苦手科目の克服」という言葉が持つイメージが子どものマインドを下げ、仕方ないからやるという状態に追いやることが少なくないのです。

今読んでいる方が大人だとして、子どもの頃を思い出してみてください。「あなたは算数が苦手科目なのだから、もっと頑張りなさい」と言われたとしたらどうでしょう。やる気満々になって算数を頑張るでしょうか。やりたくないという気持ちが助長されるだけではないでしょうか。

つまり、親が苦手科目をやるように“アクセル”を踏ませようとする一方で、子どもは自分で“ブレーキ”を踏んでいる状態に近いものがあるのです。

では、どうすればいいかと言いますと、「子どもが苦手科目を前向きに克服したくなる」ようにしてしまえばいいのです。この方法を知ると、親は子どもがいつまでも苦手科目に着手しないということに対してイライラすることは少なくなることでしょう。

受験勉強を“ゲーム”とみなして攻略していく

具体的なやり方をご紹介します。まず「受験勉強はゲームである」と考えてみましょう。

例えばバトルゲームを例にとります。このゲームにはクリアしなければならない「目標」があります。その目標に向けて進めていくのですが、どう考えても、戦うための物資が足りず、戦力が足りません。そこでどうすれば目標に到達することができるか? そのための戦略を立てます。

例えば、目標を倒すには100のレベルが必要なのですが、自分には60しかないとします。すると40足りないわけです。そこで新しい武器やアイテムを手に入れるか、戦いの経験を積むか、何らかの手立てが必要になります。そうして不足分を埋めるための戦略を立てます。

このとき苦手だからと言ってやりたくないという気持ちはあまりないでしょう。それより、どうしたら勝てるのかという点にフォーカスしているはずです。

これを勉強に置き換えると、志望校の偏差値が60だとして、自分が53。となると7の不足分を補う必要があります。そこで戦略を立てます。

例えば、得意科目の国語をさらに伸ばそうと考えますが、国語はそれほど大きく伸びるわけではないため、それだけでは足りないことがわかります。そこで、苦手科目の算数が足を引っ張るため、その算数をどのようにバージョンアップするかを考えることになるでしょう。新しい解き方を手に入れるのか、問題集を繰り返して経験値を上げていく、などの必要があります。

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