コロナ禍で「ゲームが健康にいい」3つの理由 医師が教えるゲームとの「正しい付き合い方」

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ただ同時に、とくにほかのプレーヤーと戦うタイプのゲームで負けたとき、暴言や暴力(机をたたく、コントローラーを投げるなど)といったマイナス方向の感情が爆発してしまう方も一部いらっしゃいます。

他人の前でこうした行為を行うことはもちろんマナー違反ですが、どのようなときにこのような感情が起きるかを知り、強いストレスを感じたら一旦ゲームから離れるなどの対処を習慣づけることで、日常生活においてもストレスを感情にぶつけてしまうことを防ぐことが可能です。

次に②自己肯定感を高められる、ですが、どのようなゲームでも基本的には遊ぶ人の達成感を重視して作られています。謎解きや戦略を考えて先に進むパズル系のゲームをクリアしたとき、強力な敵に何度も挑戦して倒したとき、その達成感は自己肯定感につながります。

実際の体の動きとゲーム内のキャラクターの動きが連動するような、アドベンチャー形式で筋トレが楽しくできるゲームもあります。ゲームの課題をクリアする達成感に加え、身体的な健康も副産物として手に入れることができるのです。

また対戦系のゲームでランキング上位に載ったり、大会で優勝したりすることは自己顕示欲を満たし、自分自身の努力が形になった1つの実績として自信に結びつきます。

③のコミュニケーションツールとして利用できる、というのは主に数人を集めてオンラインで協力プレーができるゲームにおいて、ゲームをコミュニケーションツールとして利用することもできるという意味合いです。顔を出さずに声だけでやり取りすることも多く、実際の名前や職業なども公表しないため、ある意味「浅い」付き合いであることで、日常のちょっとした話がしやすい場合もあります。

また②でお話ししたようなゲームの大会を通じて、同じ目標に向けて努力する同士を見つけ、そこから親交を深めることもできます。

注意すべき点

とはいえゲームのやりすぎは少なからず身体に悪影響を及ぼします。長時間同じ姿勢でいることで肩凝りから緊張性頭痛につながりますし、ゲーム画面をずっと見ることで眼精疲労が起こります。背筋を伸ばしてディスプレーからは適度に距離を取り、約1時間ごとに10分程度は画面から目を離して遠くの景色を見るほか、軽いストレッチを行いましょう。

また画面に集中するとついまばたきを忘れがちですので、まばたきを意識することも重要です。これらは携帯ゲーム機だけでなくスマホやパソコン画面を長時間見る場合でも同様です。

また、よく世間で話題になる「ゲーム依存症」についてですが、ゲームは1日何時間までがよい、という医学的統計はありません。ただ深夜のゲームは眼精疲労だけでなく、アドレナリン分泌による交感神経活性化による入眠障害につながる可能性があります。就寝の約1時間前にはゲームを終わらせ、入眠直前は光や音の刺激を避けて静かに過ごすとよいでしょう。

ゲームは批判されることも多いですが、正しく付き合えば心身の健康につながるツールと考えることができます。趣味もなく毎日がつまらないと感じている方こそ、まずは興味のあるゲームを1つだけプレーしてみるのはいかがでしょうか。

上原 桃子 医師・産業医

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うえはら ももこ / Momoko Uehara

横浜市立大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構理事。身体とこころの健康、未病の活動に尽力し、健康経営に関する医療系書籍の編集にも関わっている。医師と患者のコミュニケーションを医療関係者、患者双方の視点から見つめ直すことを課題とし、とくに働く女性のライフスタイルについて提案・貢献することを目指している。

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