「まずは現場」大企業ほど見逃す「経営の本質」 「現場」が元気になれば、「企業」は必ず強くなる
野中:これは一例ですが、大企業だからこそ、中小企業に学ぶべきことがたくさんあるはずなんです。大企業の人がMBAを勉強する暇があったら、優れた中小企業で働かせてもらったほうがよほど身になる。
遠藤:中小企業大学校が日本のMBA機関になるべきかもしれませんね(笑)。
野中:その発想はいいですね。
企業は「体格」より「体質」が重要
遠藤:つまり、中小企業大学校に大企業のさまざまなコンセプトを入れてはいけないんですよ。逆に中小企業大学校のカリキュラムを概念化して大企業に持ち込むことを考えるべきです。中小企業が日本経済を支え、それこそ「知識創造」を日々行っているわけです。
野中:そのとおり、これは元気が出る話ですね。
遠藤:世の中に漂っている「大企業は中小企業よりも上だ」という雰囲気が間違っています。大きさという企業の「体格」は大事だけれども、それよりも重要なのは、「体質」でしょう。「体格」がいくら立派でも「体質」が悪かったら、すぐに病気にかかってしまう。
野中:「体質のいい中小企業」は、「体格だけ大きい大企業」より上でしょう。
遠藤:そのとおりです。私はその体質を決めるのが「現場力」であり、「知識創造」だと思っています。中堅・中小企業だからこそ「知識創造理論」を学び、実践し、「体質」磨きを続ける必要があります。その意味では、野中先生が中小企業大学校の総長になられたというのは実に喜ばしい。日本の未来を変える話だと思います。
(構成:荻野進介)
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