菅首相、言い間違え連発で招いた「自滅の刃」 反転攻勢狙った会見やメディア出演が逆効果に
従来通り、手元のメモを棒読みした揚げ句の言い間違え。しかも、菅首相自身は間違えにまったく気づかず、国会答弁のように直ちに秘書官らが駆け寄る場面もなかった。
このため、コロナ担当の西村康稔経済再生担当相が対策本部後に記者団に「静岡ではなく福岡の間違い」と訂正。政府も「首相の誤り」を認め、首相官邸ウェブサイトに「(首相は)『静岡県』と発言しましたが、正しくは『福岡県』です」と掲載する事態となった。
突如「国民皆保険」の見直しに言及
対策本部直後に「満を持して臨んだ」(政府筋)はずの記者会見で、コロナ対策が目詰まりしている原因とされる医療法や感染症法の改正の必要性を質されると、菅首相は突然、国民皆保険の見直しを検討するともとられかねない「意味不明の発言」(閣僚経験者)を展開した。
これには、SNS上で「耳を疑った」「(皆保険は)絶対なくしてはいけない」などと疑問と不満が噴出。加藤勝信官房長官が14日の定例会見で、「国民皆保険制度を維持し、(コロナへの)対応力を高めていくという考え方は一貫している」などと苦渋の表情での首相発言の軌道修正を余儀なくされた。
首相を擁護し続けてきた加藤長官は、定例会見で記者団から「コロナ対策で首相のメッセージが国民に伝わっていない」と問い詰められると、「指摘はごもっとも」と不首尾を認めざるをえなかった。
菅首相は13日の記者会見で「ご苦労をおかけしますが、(コロナ禍を)何としても乗り越えなければならない。国民の皆様のご協力をお願いする」と頭を2度下げた。批判された語尾に「思います」をつける言い方もできるだけ控え、下を向いてのメモ読みも減らすなど、「努力の跡は見られた」(自民長老)。
しかし、菅首相特有の「メリハリのない事務的な棒読み調のスタイル」(有識者)はほとんど改善されず、SNS上には「全く心に響かない」「もう信用できない」など辛辣な書き込みが相次いでいる。
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