「エコでサステナ」イタリアの新デパートの全貌 イタリアフード界巨人「Eataly」がプロデュース

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Green Peaの正面入り口。駐車場にはEV用充電ステーションも設置されている(筆者撮影)

2020年12月9日、北イタリアのトリノにオープンした「Green Pea(グリーンピー)」。地球のように丸くてグリーン、という名前が象徴するのは、建物も扱う商品も、環境への負荷を極力抑えたものだけで構成され、グリーンでクリーンなライフスタイルを提案する総合デパートだ。世界に例のない試みとして、注目を浴びている。

イータリーがグリーンビジネスにも着手

構想10年、2年の工事期間を経てGreen Peaをオープンしたのは、イタリアの伝統的で上質な食材に特化して販売するセレクトショップチェーン「Eataly(イータリー)」。2007年にトリノに1号店をオープンして以来、今や世界14カ国に43店舗を構える、イタリアフード界の巨人となった。

その巨人が、「衣・食・住」の食以外の分野とグリーンビジネスに触手を伸ばした背景に、さらなる事業拡大を狙うと同時に、深刻な環境問題が世界を覆うなか、今のままの消費社会を続けていては手遅れになるという危機感、そして大企業としての社会に果たすべき義務感が見える。

掲げたスローガンにそのことは的確に現れている。「From Duty to Beauty(義務から美へ)」。地球を取り巻く環境問題は、ごく一部の環境問題に敏感な人たちが努力するだけではもはや改善できないほど深刻化している。だからグリーンに興味を持ち、グリーンな商品を身につけることは、義務ではなくてカッコいいことだ、とすべての人々に訴える。

ファッション界ではすでに何年も前から毛皮はNOで、動物や環境を犠牲にしないアニマルフリー素材に人気が集まってきていることを、もっと広い範囲で応用しようというものだ。

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