中国EC「拼多多」、社員死亡の悲劇に高まる批判

突然死に続いて自殺者。労働実態を当局が調査

拼多多を含む中国のテクノロジー企業では、社員の長時間労働の常態化が批判を浴びている(写真は拼多多のスマートフォン向けウェブサイトより)

中国の電子商取引(EC)大手の「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」は1月9日、同社の上海オフィスに勤務していた男性エンジニアが湖南省長沙市の実家のマンションから飛び降りて死亡したと公表した。

拼多多の社内ネットワークに掲示された情報によれば、男性は1月8日朝に上司に休暇を申し出たが、理由を説明しなかった。同日午後、父親が長沙空港で男性を出迎えて実家に戻った後、翌9日午後12時半頃にマンション27階の実家から飛び降りて帰らぬ人となった。現地の当局は男性の死因を自殺と断定した。

これは拼多多にとって、わずか2週間で2件目の社員の死亡事件だ。2020年12月29日、拼多多の女性社員が深夜に歩いて帰宅する途中、突然倒れて急死したのである。

上海市政府の労働監督当局は1月5日、財新記者の問い合わせに対し、女性の突然死との関連で拼多多の労働実態を調査していると明らかにした。

全社員に「徹底した奮闘モード」を要求

拼多多によれば、急死した女性は1998年生まれの22歳。2019年7月に同社に入社し、生鮮農産物をオンライン販売する新サービス「多多買菜(ドゥオドゥオマイツァイ)」の業務を担当していた。

同社にとって、多多買菜はいま最も力を注いでいる重点プロジェクトだ。2020年8月に江西省南昌市と湖北省武漢市の2都市でテストサービスを開始した後、猛スピードで全国展開を進めている。

「多多買菜は素晴らしい事業であり、同時に苦難を伴う長期的な事業だ。われわれ拼多多の社員にとっての試金石と言える」。創業者の黄崢氏は2020年10月、創業5周年の社内スピーチでそう語り、全社員に対して「徹底した奮闘モード」に入ることを要求していた。

本記事は「財新」の提供記事です

だが女性社員の突然死をきっかけに、長時間労働が常態化したテクノロジー企業の労働慣行への批判が改めて高まっている。

亡くなった女性社員はSNS(社交サイト)上で、「私たち全員が搾取されている」と匿名で不満を漏らしていた。また、拼多多の複数の社員によるネット上での暴露によれば、多多買菜の業務は過酷なため離職者が相次いでいるという。

(財新記者:原瑞陽)
※原文の配信は1月9日

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