アリとキリギリスの違い
繁田:そういう意味では、たまに何も考えずに、壁をひょいと越えていく人がいますね。普通に散歩しているだけなのに、いつの間にか、ものすごく大きなクレバスを越えちゃった、みたいな人。そういう人が思い切り権限を集めて、好き放題やれるようになると、いくつかすごいことができると思うのです。
0から1を生み出す人と、1を50や100に育てていく人たちと、100を安定的に保つのが得意な人とでは、それぞれ性格が違う。インド人だってみんな性格が違うし、世界中にアリとキリギリスっているんですよ。キリギリスが得意なことと、アリが得意なものは違うので、キリギリス型の人間に、「はい、しばらくアリのようにやりなさい」と言ったって絶対できない。だから怖がらずに新しいことを開拓していける人には、どんどんやりたいことをやっていただけるようになると思いますね。そのフィールドとしてインドを考えると、難しい市場だとはまったく思えないのですよ。
三宅:それは繁田さんだからではないですか(笑)。
繁田:いやいや(笑)。実は世界中どこでも、基本はすごくシンプルです。誰に何を売るかをはっきりさせて、マーケティングの基本の4P(製品、価格、流通、プロモーション)を、奇をてらわずに着実にやる。自分たちの仮説が間違っていれば仮説を修正する。それだけやれば立派にやっていけます。
三宅:ということは、アリでもインドで成功できる可能性がありますね。繁田さんは、インドにはアリを送れとアドバイスしますか。それともキリギリスのほうがうまくいくと?
繁田:この例えでいうと、奇をてらうことをやるのがキリギリスじゃないと思うのです。要は「この人は会ったことがないけれど、会ってみたらきっと何かがうまくいく」と思ったら、ちゃんと動ける人であることが大事。たとえば毎日、8時15分の電車に乗って、8時45分に会社に着くという規則正しい生活が日常のルーティンだとすると、「たまには朝5時に出て、電車で30分のところを今日は歩いて行ってみよう」みたいなことを普通にポーンと行動できる人。それがキリギリスです。
三宅:無茶苦茶なことでなくていいのですね。インドも意外にちゃんとやればできる市場だから、恐れるなという感じですか。
繁田:まさにそうだと思います。あとはどちらかというと楽観的、雑草系な人のほうがいいと思います。何があっても「あ、そう」みたいな。
インドでのビジネスは難しいイメージがあるかもしれませんけど、インド人も普通の人なのです。お金持ちのインド人の子女は守られて育っているから、メンタルが弱かったりもしますし(笑)。
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