日本人にとってインドは難しい市場なのか?

インフォブリッジグループ 繁田奈歩代表(下)

中国よりインドを選んだ理由

三宅:じゃあそこでインフォプラントの立ち上げに参加して、会社を大きくもしましたよね。

繁田:2004年からインフォプラントの中国支社の立ち上げを担当しましたが、その後、インフォプラントがヤフーに移ったタイミングで独立しました。3~4年やっていたので、そろそろ違うことをしようかなと思いました。

そして、自分のビジネスフィールドとして、中国でなくインドを選んだわけです。中国での商売はなかなか難しいと思っていたからで、当時、すでに競合もたくさんいたし、ルールがどんどん変わってしまう。人生が500年あるわけじゃないから、寄り道している暇はない。私は、「でっかいこと」ではなく「新しいこと」をやりたかったのです。

せっかく独立して、ナンバーワンとかオンリーワンを目指していくなら、誰もやっていないことをやったほうがいい。インドという国は、みんなから、なんだかよくわからない国だと思われているけど、私はあの国ならビジネスができると思えたのです。

もちろんインドには魑魅魍魎が至る所にいますよ。でもそれはバックパッカーの世界だからであって、ビジネスの相手は少なくとも魑魅魍魎はバックパッカーの世界と比べると少ない。だから学生のときよりは、おそらく楽に商売ができるはずである、と考えたのが理由のひとつ。

もうひとつの理由は、インドの人口が10億人を超えていたこと。当時まだ日本企業は全然インドに注目していなかったけれど、これだけ人口が多ければ、いつかはブレークするはず。「じゃあ、とりあえず行ってみよー!」と勢いで始めた感じですね(笑)。

三宅:今は大企業相手にサポートをされていますが、どんなときに仕事の面白さを感じますか。

繁田:完全に相手の人によりますね。ちょっと言葉は悪いですけど、打てば響く方もいらっしゃれば、全然響かない方も、残念ながらいらっしゃいます。

三宅:同じ悩みを持っています(笑)。この対談には、組織の中にいながらにして、イノベーションを起こす「ビジネスプロデューサー」たちを世の中に紹介しようという意図があるのですが、繁田さんはそういう人を見たことがありますか。

繁田:あまりないかもしれません。思い切ったことがやれる人って、往々にして口がすぎるから、そのうち閑職に追いやられて意思決定権がなくなるという共通項があるような気がします(笑)。でも日本企業も過去の資産を守っているだけでは、いずれ資産はなくなりますよね。

三宅:それはたぶん、皆さんわかっていると思うのです。でも、「自分には組織から飛び出すパワーがない」と思うと、守りに入らざるをえない。そういう人たちがだいたい9割くらい。そのほかに、ちょっと変な人が5%くらいいる。そしてごく少数ですが、9割の人たちの考えることもわかるし、改革もできるという、バランス感覚のある人が5%くらいいる。この人たちを僕たちはビジネスプロデューサーと呼んでいるのです。

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