かんぽ生命と提携する日本生命の深謀遠慮 金融
日本生命保険とかんぽ生命が業務提携する。かんぽ生命が他生保と基幹業務で提携するのは初めて。当面は日生がかんぽ生命に対し、システム構築や商品開発に関する人材派遣やノウハウを提供。1年後に新商品を郵便局の窓口を通じて売り出すという。ただ、対価として一銭も受け取らない日生の目的が、郵便局ネットワークの活用だけにあるとは思えない。
この提携には、日生の深謀遠慮が透けて見える。そのカギはシステム設計の共通化だ。保険業は今や、システムに支えられた巨大な装置産業。システムに対応できなければどんなに優れた新商品も世に送り出すことはできない。システム構築そのものが、保険会社の成長戦略を決定するといっても過言ではない。
一方で、業界の再編・統合がささやかれながら、それを妨げている最大の要因がシステムの存在でもある。設計思想が同根のシステムであれば、統合ははるかに容易になる。詰まるところ、この提携で日生はかんぽ生命の首根っこを押さえたといえる。
(週刊東洋経済:筑紫祐二)
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