台湾経済「2021年は3.68%成長予想」の根拠 コロナ禍の早期対応が原点、IT需要増に沸く

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――コロナ禍で中国の経済政策が変わった部分はありますか。

中国の経済運営は安定・安全重視の度合いを強めています。新型コロナで世界経済の先行き不透明感が晴れないうえに、アメリカとの対立が今後も続く可能性が高いとみているからです。

むろん中国政府もバイデン政権の誕生を対米関係改善の好機にしようと考えているでしょうが、アメリカを牽制する意味でも他の先進国などとの経済交流を進めたいと考えています。輸出へのダメージを減らすとともに、先進技術・ノウハウの入手先を保ちたいのです。中国政府がRCEP(地域的な包括的経済連携)締結に積極的だったのも、そうした文脈に位置づけることができるでしょう。

中国の経済安保強化に懸念

ただ、アメリカとの対立が強まれば、他の先進国などがアメリカに同調する可能性を強めかねません。それゆえ、中国政府は自前のサプライチェーンや技術の確保を一段と重視するようになっています。

他国を引き付けるうえでも、また、自国企業のイノベーションを支えるうえでも、大きな内需をさらに大きくし、かつ、対外的にも経済を開放して経済を大きく循環させる、いわゆる「双循環」政策を中国政府は強く進めていく方針です。この「双循環」は、2021年から始まる第14次五カ年計画で中核的な発展戦略として位置づけられることになっています。

しかし、外国企業にとっては中国の政策の予見性がまだ低いのがネックです。2020年12月に輸出管理法が施行されるなど、経済安全保障強化の動きも強まっており、それがビジネスに与える影響を懸念する声も出ています。政策の透明性を一段と高めると共に、公平な競争環境の整備を急ぐことが「双循環」を成功させるうえで、極めて重要でしょう。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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