コロナ対策優等生の台湾でワクチン開発に遅れ 責任回避の当局、国民に信頼されない製薬業界

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コロナ対策で世界的な評価を受けている台湾だが、ワクチン開発では世界に遅れをとっている(写真・今周刊)

米ファイザー、モデルナ、英アストラゼネカら世界の製薬大手が、次々と新型コロナウイルスのワクチン開発の成功を発表している。そして2020年12月8日、イギリスで世界で初めて新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。アメリカでも間もなく始まる見通しだ。各国のワクチン開発競争が話題にのぼるなか、台湾は感染拡大防止においては成果をあげているにもかかわらず、ワクチン開発では遅れをとっている。台湾でワクチン開発が進まないのには3つの理由があった。

当局の審査に時間、計画に大きな遅れ

まずは世界のワクチン開発競争にある2つの壁を確認しておきたい。先陣を切ったファイザーら大手が開発したワクチンには90%以上の有効性があると発表されている。今後、新型コロナウイルスのワクチンでは「90%以上の有効性」が1つの基準になると考えられ、この数字は後発企業にとって大きなハードルになるだろう。そしてもう1つの壁が開発スピードだ。

例えばアメリカ政府はワクチンの早期実用化のために「ワープ・スピード作戦」をとり、その結果、企業は異例の速さでのワクチン開発を成功させた。大手企業のスピーディーなワクチン開発は、世界中が大きな期待を寄せる一方で、今開発を進める企業にとって大きなプレッシャーになった。今、新型コロナウイルスのワクチン開発には高い有効性と迅速な開発が求められているのだ。

その流れとは反対に、台湾のワクチン開発は当初の予定より遅れている。台湾のワクチン開発大手「アディミューン(国光生物科技)」を例にとると、当初の計画では2021年2月中旬までにワクチンを出荷し医療従事者への接種が始まると想定されていた。しかし、すでにこの計画は達成できないことがわかっている。アディミューンによると、同社におけるワクチン開発は順調に進んでいたが、当局の審査に時間がかかり、その結果、計画に大幅な遅れが生じているのだという。

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