韓国経済「2021年プラス3.0%」成長は可能か

好調な半導体産業が主導、カギは消費

ソウル市内の市場。新型コロナウイルス感染者数が増えている中、2021年はプラス成長が予測されている。(写真・ロイター)
コロナ禍で経済活動が停滞した2020年。現在も感染者数は増大している中で、これまで相対的に「コロナ対策がうまくいった」とされているのが韓国と台湾だ。日本の隣国であり、日本と密接な関係を持つ両国経済の現状と見通しはどうなのか。今回は韓国を取り上げる。中央銀行である韓国銀行は2020年11月26日、2020年の実質経済成長率の予測値を前年比マイナス1.1%、翌2021年を同プラス3.0%と発表した。韓国経済に詳しい、大東文化大学経済学部の高安雄一教授に話を聞いた。

2020年の成長率はマイナス1.1%、21年は3.0%と予測

――韓国銀行が発表した2020年のマイナス1.1%という予測をどうみますか。

マイナスになるのは世界で同様な傾向なので、妥当だと思います。ここでは、韓国経済を消費と設備投資、輸出という3つの視点で見てみましょう。

韓国でコロナ禍の影響が最も出ているのは、やはり消費です。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の第1波が収まった2020年夏ごろから徐々に消費も回復してきましたが、第2波の到来で再び落ち込んでいます。これが経済成長を押し下げている部分です。

――一方で、投資は良好ですね。

そうです。投資はよくて、輸出も悪くありません。これはコロナ禍でのテレワークの普及など、半導体関連需要が世界的に伸びていることが背景にあります。また、移動通信の5G関連で、データセンターの設立・整備やサーバの増設といった需要が増大し、サムスン電子をはじめとする韓国の半導体産業からの供給が増えています。半導体関連投資はなかなか意欲的な勢いなので、当面、この傾向は続くものと思われます。

輸出も、アメリカや中国の景気回復がコロナ禍で鈍化しているものの、これも半導体関連を中心に悪くありません。ただ、自動車の輸出が振るわないので、米中両国の景気回復が遅いことを示しているといえるでしょう。

一方、建設投資が振るいません。とくに土木関連の投資が落ち込んでいます。韓国政府も景気浮揚策として補正予算を組んで支出していますが、公共投資にはそれほど回しておらず、国民の雇用の安定のほうに力を入れているように思えます。

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