在宅ワークに向けたアイテムが並ぶ紳士服量販各社。魅力的な切り口をたくさん見かけますが、相手軸のファッション視点のままでは、気づかぬうちにおかしな選択をしているかもしれません。われわれユーザー側の意識改革も求められています。
洋服の青山(青山商事)京都河原町店の「テレワークするマネキン」ディスプレイが今年5月に話題になりました。整えた上半身に、パンツ一丁の下半身の姿。これは、「相手に見られる部分を整える」という従来のファッション視点からきていますが、この発想がNGの原因です。この格好では、落ち着いて仕事に取り組めるとは言いがたいでしょう。
一方、「リラックスしながらも、仕事モードで居られる」在宅ワークの視点で考えるならば、スラックスに見えるジャージー素材のパンツがおすすめ。紳士服量販各社がジャージー生地のジャケットやスラックスをたくさん扱っていますが、リラックスと仕事モードの両立が可能です。
リモート会議を想定した在宅ワークウェアの視点
新時代に求められるビジネスウェアは、服の生地感より、色と型紙が重視されます。というのも、画面越しのリモート会議では、服の生地感まで伝わりません。そういう観点からも、在宅ワークにおける服装の基本形は、ジャケットの型を生かした上下ジャージーなのです。
この考えを商品化したパジャマスーツは、ネットを中心に話題に挙がりました。紳士服AOKIが提案したソファーで寝転がりながらもパソコンを開いたパジャマスーツのキービジュアルは、まさに在宅ワーク時代を象徴するビジネスウェアそのもの。
カーディガン感覚でジャケットを着られるノーカラーデザインは、これまでのビジネスシーンでは敬遠されがちでした。ですがビジネススーツによく使われる黒・紺・グレーのジャケット風の型紙を採用することで、画面越しでも仕事の雰囲気が伝わります。そして、似たようなセットアップは、紳士服量販各社でもよく見かけます。では、これらのセットアップを選ぶとき、どんなインナーが合わせやすいのでしょうか。
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