クルマ電動化が急加速、素材メーカーに「商機」 生産能力や開発力を強化、課題は値段の高さ

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住友化学の韓国のセパレーター製造拠点。EV向けが拡大中だ(写真:住友化学)

菅義偉首相が10月26日に「2050年までに、温室効果ガスの排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にする」と宣言して以降、国内でも自動車の電動化に向けた流れが加速してきた。

政府は12月25日に公表したカーボンニュートラル実行計画「グリーン成長戦略」の中で、遅くとも2030年台半ばまでに新車販売からガソリン車やディーゼル車をなくし、すべてを電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)にする目標を掲げた。

電動化を機に動く素材メーカー

この政策に大きな影響を与えたのが、先行する欧米や中国の動きだ。アメリカでは2020年9月、先進的な取り組みを続けるカリフォルニア州が2035年までにガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止する方針を決めた。バイデン次期大統領もEVを重視する姿勢を打ち出している。

中国も同様の方針を2020年10月に発表済みだ。イギリスはさらに5年早い2030年までに新車販売からガソリン車やディーゼル車をなくす方針を2020年11月に発表した。

地球環境のために自動車の電動化が進むこと自体は、何年も前からの既定路線だ。ただ、早期の脱ガソリン車を促す各国の政策には、自動車メーカーの間で困惑が広がっている。新車販売に占めるガソリン車の割合はまだ高く、十数年程度で完全電動化に対応するのが容易ではないためだ。

一方、これまで電動化を商機と見て関連事業の拡大に積極的に動いてきた業界もある。化学大手や合繊大手といった素材メーカーなどがそうだ。

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