クルマ電動化が急加速、素材メーカーに「商機」 生産能力や開発力を強化、課題は値段の高さ

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炭素繊維事業では世界1、2位のシェアを誇る東レと帝人にとってはチャンスだ。両社とも主力とする航空機向けは、新型コロナウイルス影響で需要が大きく落ち込んでおり、低迷の長期化も予想される。航空機向けの出荷量がコロナ以前の想定より少なくなる分、自動車向けの出荷量を伸ばす重要性は増している。

素材メーカー各社にとって電動化の加速は、こうした関連部材の需要の早期拡大につながる可能性がある。

そのため、「アメリカ大統領選の結果や、ガソリン車やディーゼル車の新規販売を禁止するという世界的な流れは、環境対応車市場の拡大を更に後押しするとみている」(旭化成広報)、「基本的にプラスだと受け止めている」(住友化学広報)といった声が上がる。

高額な電動車の販売価格

他方で、懸念点がまったくないわけではない。

素材メーカーでは、電動車に限らずガソリン車にも使われる部材を多く生産している。例えば、タイヤ向けの合成ゴムやシート向けの合成皮革、内装やシート向けの合成樹脂、エアバッグ向けの基布などだ。

これらの出荷量は世界の自動車の生産台数に大きく左右される。今後「脱ガソリン車」が進む中で、電動車の普及が十分に進んで、ある程度の生産台数が維持されれば問題はない。だが、実際はそう簡単ではない。

大きなネックは、電動車の販売価格が高いことだ。EVやHVに搭載するリチウムイオン電池は高価で、それが価格に跳ね返っている。安さで人気の軽自動車は現在、大半がガソリン車だ。だが、今後HVシステムを搭載せざるをえなくなれば値段が上がり、売れ行きが鈍るかもしれない。

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