日系車メーカーが中国の規制を達成できない訳

乗用車メーカーに求められる新エネ車の生産

レクサス初のEVとなる「UX300e」(筆者撮影)

中国の新車市場は4月に前年同月比4.4%増となり、22カ月ぶりのプラスとなった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、消費者のクルマの「時期ずれ購入」が販売台数増につながったものの、本格的な新車市場の回復には至っていないとみられる。

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そんな中、中国の電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの新エネルギー車(NEV)の販売台数は1~4月が前年同期比43.4%減、4月まで10カ月連続でマイナスを記録した。かかる中、中国政府は2020年末に終了予定のNEV補助金政策を2年間延長すると決定。これによりNEV市場回復への期待が高まり、自動車メーカーにとっては安心材料となった。

一方で、中国では乗用車メーカーに一定台数のNEV生産が義務づけられている。規制目標を達成すべく、中国でのNEVシフトを一段と加速する必要がある。

急成長したNEVの販売台数

NEV補助金政策により、中国のNEV販売台数は2012年の1.2万台から2019年の120万台へと急成長した。しかし、中国政府は2016年に補助金制度を段階的に削減し、2020年末までに廃止することを決めた。

特に2019年6月に補助金の支給基準を大幅に削減したとともに、地方政府の補助金制度も廃止された。これを受け、中国のNEV市場は2019年に史上初のマイナス成長に転落。新型コロナの影響により、中国NEV市場の減速懸念が強まる中、中国政府はNEV補助金政策を2年間延長するとし、4月には2020年のNEV補助金基準を発表した。

補助金の額は2020年から2022年の間に対前年比で毎年10%削減していくとともに、補助金支給の技術条件も厳格化された。対象車種の航続距離は2018年の150㎞から300㎞に引き上げられ、航続距離400㎞以上車種も支給額が2018年比で55%減少した。

ここで興味深いのは、新たに付与された補助金の支給条件だ。まず、価格条件では、電池交換式車両を除き、販売価格30万元(約460万円)以下の車両のみであり、ガソリン車とEVの価格差を縮めることが求められる。

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