金融マンの転職求人がコロナ禍でも活発な理由 外食、小売り、商社などに比べて回復も鮮明
リクルートキャリアで金融機関で働く人材の転職を支援する水谷努氏は、同業界の転職では、より専門性の高い業務の遂行能力を持つ人材が優位だと指摘する。ストラクチャードファイナンスや企業の合併・買収(M&A)に関する実務経験など「もうひとひねり」のスキルが重視されるという。
他業界に比べ求人が旺盛な金融業界だが、コロナ禍で急速に普及したオンライン面接の活用には慎重だ。デューダの喜多氏は特に最終面接については対面で行う金融機関が多いと話す。オンライン面接が全体の約8割を占める中でも、採用後のミスマッチを回避するため対面に比重を置いてきたとしている。
一方、コロナ禍は金融業界で働く人の転職先選びにも影響を与えている。デューダのデータによると、1月から10月の間に再び金融業に転職を決めた人は全体の約36%で最も多いが、それ以外の6割超はIT・通信、建設・不動産、コンサルティング・リサーチ業界など異業種だ。
リクルートキャリアの水谷氏は、新たな職場を求める金融機関在籍の登録者数は減少していないが、かなり慎重に転職先の情報を探す人が目立つと明かす。デューダの喜多氏も職業柄か注意深い人が多く「コロナが落ち着いてから動こうとする人が他業種と比べて多い」と言う。
喜多氏は不景気の中、さまざまな業界から出される求人は、その企業に欠かせないポジションであるとの認識を示した。その上で、金融業界出身の人材にとっては、将来の「活躍の場が広がる可能性がある」とみている。
著者:黄恂恂
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