金融マンの転職求人がコロナ禍でも活発な理由 外食、小売り、商社などに比べて回復も鮮明

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新型コロナウイルス禍で企業の中途採用活動が影響を受ける中、金融業界の求人は他業界に比べて旺盛だ。パーソルグループの調べによると、金融業の10月の求人数は8月から14%増加し、外食、小売り、商社などの業界に比べ回復も鮮明となっている。

パーソルが提供する転職サービス「doda(デューダ)」の喜多恭子編集長によると、金融業の求人は保険業を中心に伸び、ネット銀行・証券などフィンテック関連が続く。生命保険の見直しや損害保険に関する問い合わせへの対応のほか、金融業務のデジタル化に関連した人材を求める企業が増えた。

転職情報サイト「デューダ」(累計会員数約587万人)のデータに基づき2008年9月のリーマンショック後と比べると、リーマンショック前後では求人が最多で50%減少したのに対し、コロナショックでは35%の減少にとどまっている。最新の「デューダ転職求人倍率レポート」によると、11月の金融業の転職求人倍率は1.7倍。 

ここに示す2つのチャートからは金融業界の求人について、緊急事態宣言が出された時期の減少がIT業界に次いで2番目に少なかっただけでなく、その後の回復も早いことが分かる。

即戦力を重視 

リクルートキャリアでは、金融業では即戦力が求められるため、中途採用の傾向が強いと分析。特に銀行や証券では、コロナ禍でも短期で成果を上げてくれることを期待して採用の動きが強まっているという。同社が提供する「リクルートエージェント」は業界首位の転職支援実績を持つ。

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