デジタル庁、「兼業・在宅OK」で民間人採用のわけ 平井大臣が語る「官民連合軍」の可能性と課題

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――役所の意思決定のやり方も変わるのですか。

デジタル庁では意思決定のプロセスをできるだけオープンにしようと考えている。今はひとまず全部私が見ているが、上に立つ人、それを支えるポジションの人、とにかく全部ひっくるめて風通しのいい組織を作りたい。

どんな開発にもリスクが伴う。ある程度リスクのあるものに対しては、上が責任を持ってやらなければならない。だからメリットやデメリットをきちんとわかって判断・決定する人を置くことが必要だ。庁全体でもたかだか500人程度の組織なので、一枚岩になって、風通しをよくしなければ(仕事が)回らないという面もある。

兼業、リモートワークもOK

――いい人材をたくさん集めても、今おっしゃった意思決定の部分などが機能しなければ意味がありません。

民間人と官僚の合体チームというのは今までやったことがないので、正直どうなるかわからない。ただ、1つの目標に向かって走ってもらうように道をつくるのが今の僕の役目。皆と十分に話し合いながら、納得してもらったうえでプロジェクトを立てていこうと思っている。

これまでの役所と違う文化の役所を作ることこそが目標なので、別の役所から来る職員たちには、これまでのメンタルを完全に変えてもらうように促したい。少なくとも自分が大臣であるうちはそういうガバナンスをする。

――応募を考えている人に向けては、どんなポイントをアピールしますか?

まず、給料は決して安くないと思う。700~800万円から千数百万円まで、皆さんそれぞれのポジションや仕事に合わせてお支払いできればと。それから、兼業OK、週2~3日勤務もOK、リモートワークもOKとする。自分の働き方の価値観に合わせて選んでもらいたい。

加えて、仕事の内容がものすごくチャレンジングだ。1億2500万人、全国民が相手になるサービス業というのは、民間には存在しない。特定の集団のためではなく、国民全体を喜ばせるためにサービスを提供する仕事は難易度が高い分、かなりやりがいがあるんじゃないか。

――民間からデジタル庁に参画した人には長く働いてほしい?

ご自由にどうぞ、だね。一度働いてみて、自分の能力を試すというのもいいんじゃないかと。合わなければ辞めればいいんだし。こんな出入り自由な役所はほかにないと思う。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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