デジタル庁、「兼業・在宅OK」で民間人採用のわけ 平井大臣が語る「官民連合軍」の可能性と課題

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――デジタル庁発足時には民間から100人程度を採用することを想定されています。

そもそも、従来のような公務員採用で(採った人材を集めてデジタル庁を)組織することは最初から考えていなかった。デジタル庁は自らシステムのアーキテクチャーを考え、自ら構築していく組織になる。

だが、役所の中には新しいテクノロジーをきちんと理解してRFP(システムベンダーなどへの提案依頼書)を書ける人材がいなかった。公務員として採って、デジタルキャリアで育てることをやってこなかったからだ。

だから今までは、表現はあまりよくないけど「ベンダー丸投げ」ということになりがちだった。これからは自らも調達、構築できる能力を持つことが非常に重要だと思っている。そのために民間の優秀な人材に、デジタル庁の中に入ってもらいたい。そういう雇用形態が必要不可欠だと思っている。

主導権を持ってシステムを構築

――役所がすべて自前でシステムを作るのではなく、ベンダーとの関わり方を変えていくということですね。

ひらい・たくや/1958年、香川県高松市生まれ。上智大学卒業。電通、西日本放送社長などを経て、2000年に衆議院議員初当選。自民党IT戦略特命委員長などを歴任。菅政権で新設されたデジタル改革担当相に就任。内閣府特命担当相(マイナンバー制度)も兼務(撮影:梅谷秀司)

システムの作り方はプロジェクトによって最適解が異なると思っている。企画、開発、運用などを全部自らやらなければならないものもあるだろう。一方で、しっかり指導したうえで各社に外注すべきものもある。それはいろんな種類があっていい。全体で効率的、効果的な調達、構築をすることがデジタル庁のミッションだ。

そのうえで、外注をする場合にも、きちんとこちらが主導権を持つ関わり方をしたい。こういうものを作りたいと自ら言って外注するのは、丸投げとは全然違う。主導権を持ってシステム構築していくのは今回が初めての挑戦だ。今までとはまったく違うレベルの技術が要求される。

――そういう新しいやり方に移行することで、出来上がるシステムはどう変わりますか?

最新技術を取り入れられるだけでなく、アジャイル(つねに改善し続けること)ができる。今まではPDCAをがんがん回しながらシステムを作っていくということがあまりなかった。これからは、外注先と一体になって素早く開発し、実装しながらつねに修正していく。

UI(サービスの使い勝手)やUX(体験価値)は、つねにアップデートし続けなければならない。民間のネットサービスで当たり前にやっていることをやる。

――本採用の100人について、職種の内訳や役職のイメージは?

エンジニアが多くなると思う。ただそれ以外のポジションも引き続き募集する。エンジニアの言葉がわかる、プロジェクトマネジャーはやはり重要だ。加えて、組織の中で(意思決定の)ラインに入ってもらう。つまり、局長級、審議官級、課長級の責任を有するポストも一般人に開放する。

CTO(最高技術責任者)やCDO(最高デジタル責任者、最高データ責任者)なども、形式ばかりではなく、適材適所で配置したい。

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