「プログラミングが得意な子」の意外な共通点 子の思考力は親の知ろうとする努力で伸びる

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川口さんが作ったのは、マタニティーマークやベルマークなどSDGs(持続可能な開発目標)に関連した45種類のマークをカメラで読み取ると、個別のマークの意味がわかるアプリだ。

子どものプログラミング大会で、2189件の応募の中から予選を勝ち抜いたファイナリスト10人(筆者提供)

なぜ川口さんの作品が高く評価されたのか。ポイントになったのが、マークを画像から認識させるために、AIによる機械学習を利用した点だ。画像をAIに認識させるために一つのマークをいろいろな種類で数十回撮影したという。機械学習させるためのツールはGoogleの「Teachable Machine」を使った。審査員からは「機械学習を使った作品が出てくるとは」と驚きの声が上がった。

パソコンや通信環境は必要になるが、特別な教室に通わせなくてもこうした技術は身に付くということだ。なお、平川さん、川口さんともに昨年の全国大会にも出場している。

学校のプログラミング教育はどんな内容か

小学校のプログラミング教育の学習内容は各学校に委ねられている部分が大きい。新学習指導要領では、小学校のプログラミング教育はAからFまで分けられている。このうち学校の教育課程内で行われるものはAからD分類まで。必ず行うものはA分類で5年生の算数「正多角形」、6年生の理科「電気」の教科書の項目と総合的な学習の時間だ。

誤解しないようにしたいのは、新学習指導要領ではプログラミングスキルを磨くことが目的ではない。自分の思ったことを形にするには「何をすべきか」「どんな方法が必要か」といったことを論理的に考える「プログラミング的な思考」を養うことに主眼が置かれている。

親はどのような心構えが必要か。大会を主催したCA Tech Kidsの上野朝大社長は「プログラミングはあくまで何かを作るための手段で、コード人材の育成が目的ではない」と話す。そのうえで「どんな作成ツールがあるのかなど親が知る努力をすることは大切。『私はわからないから』で片づけず、子どもが興味を持ったことに対して、面白がりながら一緒に学んでほしい」とアドバイスする。

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