JALが背負う「雇用死守」という軽くない十字架 世界の航空会社が苦難の中、「賭け」となるかも

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東京大学名誉教授で会社論に関する著書もある岩井克人氏はJALのスタンスについて、倒産を経験したため人材の確保などに苦労したことが影響しているのではと指摘。近年は事業拡大でANAに遅れを取っていたことが今になって「少し幸いして雇用を守るということが可能になったという皮肉な面もある」と述べた。

株主利益の最大化が会社の唯一の目的とされてきた米国でも最近は従業員などステークホルダーの利益も配慮すべきとの考え方が芽生え始めており、JALの姿勢は日本の会社の典型であると同時に世界の潮流になるかもしれないと話した。コロナ禍が長期化した場合はそれが命取りになる可能性もあり、「ある意味賭けだ」と述べた。

政府の成長戦略会議の有識者メンバーでもある竹中平蔵慶応大学名誉教授は、苦境に置かれる国内航空大手について資本注入や合併も視野に入れるべきだと主張している。

このことについて大田氏は、日本の経済規模を考えると航空会社は2-3社は必要とし、統合で1社独占になると弊害も大きいため「競争で切磋琢磨していくのが正しい」と独立を維持すべきとの考えを示した。ANAHDも生き残る力は十分にあり、コロナ後には日本の2社の存在感が高まるのではないかと述べた。

新型コロナが今後も収束せず、「本当に最悪の事態になったらそれはそうは言ってられないときもあるのかもしれない」としながら、「今から考えても仕方がない。乗り切れると。右往左往せず腰をどんと据えてやった方がいい」と話した。

著者:堀江政嗣、竹沢紫帆

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