国内通信大手のソフトバンクは22日、携帯電話事業で新たな3つの料金プランを発表した。新ブランドを立ち上げ、2021年3月からデータ容量20ギガバイト(GB)で月額2980円(税別)のサービスを導入するなど、既に割安なプランを示したNTTドコモに対抗する。
発表によれば、新ブランドはオンライン手続き専用。4Gと次世代通信規格(5G)の両方に適用され、1回につき5分以内の無料通話も含まれる。ソフトバンクは格安ブランドの「ラインモバイル」を吸収合併する計画で、無料通信アプリのラインを使い放題とすることなどで利用者の新規開拓も狙う。
9月に発足した菅義偉政権は、大手携帯各社に対し、他国に比べて割高だとして料金の値下げを強く迫ってきた。NTTドコモは既にソフトバンクと同様の料金プランを発表。KDDIも他社の動きを見極めながら料金の見直しを進めている。
ソフトバンクの榛葉淳副社長はオンライン会見で、「私どもの業界は競争が激しい」との認識を示し、ドコモを「ひとつのドライバーとして意識している」と話した。その上で、追加値下げの可能性について、業界を「常にウォッチし状況を見て判断していく」と述べた。
このほか、4Gと5Gのデータを無制限で利用できる月額6580円の新プランも発表。ソフトバンク傘下の格安ブランド「ワイモバイル」では、来年2月から5Gサービスも開始し、データ容量3GB、10GB、20GBまで、それぞれ月額1980円、2980円、3780円とする。
榛葉副社長は「今回思い切った価格を出した」と自信を示した。また値下げによる業績への影響については「ノーコメント」とする一方、法人向け事業での成長などを通じ、「多角化により経営責任を果たしていきたい」と語った。
(4段落以降に副社長コメントなどを追記しました)
著者:日向貴彦
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