Jリーガー「白血病」気づかず迎えたデビュー戦 開幕3戦スタメンも「異常な疲労感」に襲われる
「……ごめん、今日、ご飯いらないや……」
「え、どうしたの? 体調でも悪いの?」
母の表情が曇った。心配性の母の表情だ。
風邪では、と楽観的に考えていた
「実は……ずっと喉の周りが痛くて、腫れ上がっていて、物を食べられないんだ」
「史哉、ちょっと喉を見せて」
いつもは一歩引いて僕を見守ってくれる父が、このときはすぐに歩み寄ってきた。
「えっ、めちゃくちゃ腫れているじゃないか! なぜここまで放っておいたんだ」
父は驚いた表情で僕に言った。
「実は喉だけじゃなくて、両足の鼠蹊部も腫れているんだ」
その箇所に触れてもらうと、父の表情はますます険しくなっていった。
「ずっと喉と鼠蹊部が痛かったんだけど、変に薬とかを飲むとドーピングもあるし、試合やそれに向けての準備もあったから、病院にも行けなかったんだよ」
そう両親に告げると、
「こんなにひどくなるまで放っておいたらダメだよ。しっかり病院で診てもらおう」
そう言われ、僕も「そうするわ」と何気なく答えた。
このときはきつかったけど、まだ「ひどい風邪じゃないのか」という楽観的な思いもあった──。
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