Jリーガー「白血病」気づかず迎えたデビュー戦

開幕3戦スタメンも「異常な疲労感」に襲われる

Jリーガー・早川史哉選手は、プロへの第一歩を踏み出した途端に、体に明らかな異変が生まれ始める(写真:MakiEni/PIXTA) 
プロデビューと同時期に急性白血病と診断されたアルビレックス新潟所属のJリーガー・早川史哉選手。早川選手の著書『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』では、3年7カ月を経て公式戦に戻ってきた1人の人間の、ありのままがつづられています。
本稿では、同書から一部を抜粋しお届けします。

いつもと違う朝

いつもの朝のはずだった。

何げない日常の中の変わらない朝のはずだった──。

目覚ましの音が鳴り響き、目が覚めると、僕は選手寮のベッドの上にいた。

寝ぼけ眼で止めた時計の針は、午前6時半を指している。

「ああ、もうこんな時間か……起きなきゃ……」「ん……あれ……?」

頭では起きようとしている。でも、まるで自分の体ではないように、自分の意思に反して、起きることを拒否しているかのような錯覚に襲われた。

体がだるい。全身が熱っぽく、節々が痛い。

「風邪かな?」

時計の針は6時45分を回っていた。

「やばい、そろそろ準備しないと練習に遅れてしまう」

この日、アルビレックス新潟の練習は午前9時半からだった。いつも僕は、1時間半前に新潟聖籠(せいろう)スポーツセンター アルビレッジのクラブハウスに着いたら、練習に向けて道具を手入れしたり、ストレッチをしたりして準備する。

寮で暮らしている僕は、クラブで用意された朝食を食べてから練習場に向かうが、その日は、食欲が湧かなかった。

「どうしたの? 具合でも悪いの?」

食堂のおばさんが心配そうな表情で言ってきた。

「……いや、ちょっと風邪気味っぽくて。でも、大丈夫。練習に行ってきます」

次ページ最初のランニングだけで…
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