Jリーガー「白血病」気づかず迎えたデビュー戦 開幕3戦スタメンも「異常な疲労感」に襲われる
いつもと違う朝
いつもの朝のはずだった。
何げない日常の中の変わらない朝のはずだった──。
目覚ましの音が鳴り響き、目が覚めると、僕は選手寮のベッドの上にいた。
寝ぼけ眼で止めた時計の針は、午前6時半を指している。
「ああ、もうこんな時間か……起きなきゃ……」「ん……あれ……?」
頭では起きようとしている。でも、まるで自分の体ではないように、自分の意思に反して、起きることを拒否しているかのような錯覚に襲われた。
体がだるい。全身が熱っぽく、節々が痛い。
「風邪かな?」
時計の針は6時45分を回っていた。
「やばい、そろそろ準備しないと練習に遅れてしまう」
この日、アルビレックス新潟の練習は午前9時半からだった。いつも僕は、1時間半前に新潟聖籠(せいろう)スポーツセンター アルビレッジのクラブハウスに着いたら、練習に向けて道具を手入れしたり、ストレッチをしたりして準備する。
寮で暮らしている僕は、クラブで用意された朝食を食べてから練習場に向かうが、その日は、食欲が湧かなかった。
「どうしたの? 具合でも悪いの?」
食堂のおばさんが心配そうな表情で言ってきた。
「……いや、ちょっと風邪気味っぽくて。でも、大丈夫。練習に行ってきます」
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