Jリーガー「白血病」気づかず迎えたデビュー戦 開幕3戦スタメンも「異常な疲労感」に襲われる

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前日練習もスタメン組だった。開幕スタメンを確信し、ついにプロ入りが決まってからずっと目指していた最初の目標が達成できるという喜びはあった。しかも、一度はプロ入りを断り、大学に進学して、4年越しで達成できる現実に正直、興奮していた。

早くアルビレックスの多くのサポーターの前で自分のプレーを見せたい。ユース時代までお世話になったクラブに恩返しをしたい。でも、自分はしっかりプロとしてのプレーをすることができるだろうか、チームの勝利に貢献できるだろうか。まさに期待と不安が入り乱れていたが、体調のことを少しだけ忘れることができた。

念願のプロデビュー試合当日の朝。

目を覚ますと、出発の時間まで、いつも通り部屋をきれいに掃除して、気持ちを落ち着かせてから、試合会場に移動するバスに乗り込んだ。

2016年2月27日。J1リーグファーストステージ、アウェーで行われた湘南ベルマーレ戦。僕はセンターバックとして開幕スタメンに起用された。

試合開始のホイッスルが鳴った後は、初めてのプロの公式戦で懸命にプレーをした、夢のような90分間だった。僕はプロとしての第一歩を踏み出すことができた。

一方、試合後には今までの人生で感じたことがないほどの疲労感を覚えていた。

「なんでこんなに俺は疲れているんだ?」

自分でも疑問に思うほど、異常な疲れだった。だが、このときは「これがプロになるということなんだろう。ここまでの緊張と強度の中で戦うのがプロという世界なんだ」と、自分に言い聞かせることで、納得していた。

2試合連続でスタメン出場

1週間後の第2節のアウェー・ヴィッセル神戸戦。

この試合で2試合連続のスタメンフル出場を果たした僕は、試合後、もう得体の知れない違和感に、なかなか眠りにもつけなくなっていた。

宿泊ホテルのベッドに入っても寒気が止まらない。どれだけ毛布にくるまっても、ガタガタ震えが止まらない。

「俺の体は、いったい、どうしてしまったんだ……」

恐怖に怯えながらも、なんとか眠りについた。だが、翌日も午前5時に目が覚めた。

「やっぱりこんな時間に目が覚めてしまうなんて……ん?」

ふとベッドのシーツを見ると、大量の汗で濡れていた。寝間着(ねまき)用のジャージもシャツも下着も汗でびっしょりだった。

「嘘だろ?」

もはや自分の体ではなかった。

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