Jリーガー「白血病」気づかず迎えたデビュー戦 開幕3戦スタメンも「異常な疲労感」に襲われる

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僕は、あまり感情を表に出さないタイプだ。だが、この日はだるさが顔に出ていたことを悟り、すぐに寮を出て近くの練習場に向かった。

ハッ、ハッ、ハッ……。練習が始まると、最初のランニングだけで息が上がってしまった。

「なんでだ? まだ練習は始まっていないようなものなのに」

少し混乱しながらも、その日の練習を終え、自主トレをやめてすぐに引き上げて寮に戻った。

「明日も練習だ、今日は早く寝よう……」

心の奥底から湧き上がってくる不安

開幕戦が迫っていた。

僕にとってはプロサッカー選手になって初めてのシーズンの幕開けだ。だから、この体のだるさは、大学サッカーからプロに入りたてで、慣れない環境での日々に疲労と精神的なものも含めて、自分がまだフィットしていないからだと思っていた。いや、そう思い込むようにしていたのかもしれない。

翌日、バッと目が覚めた。

いつものように時計を見ると、針はまだ午前5時を指していなかった。

「あれ、ずいぶん早く目が覚めたな。う、何だろう……」

寝たはずなのに体がズンと重く感じられて、爽快感が1つもない。

「開幕前で緊張しているのか?」

膨らむ不安を抑え込むように、僕は自分に体のだるさ、異変は緊張からくるものだと言い聞かせた。

だが、そこから数日経っても、このだるさは取れなかった。それどころか徐々に首の横に違和感を覚えるようになり、これがずっと消えなかった。最初は風邪だと思って過ごしていたが、体はどんどんだるくなり、どんなに睡眠を取っても消えるどころか、より気になっていく一方だった。

「おかしいな……」

疑問を抱きながら、開幕を明後日に控えた2016年2月25日。紅白戦で僕はレギュラー組を示すビブスをもらった。

「よし、このままいけば開幕スタメンだ」

喜びを感じる一方で、自分の心の奥底から不気味なまでに湧き上がってくる不安。開幕前で徐々にムードが高まっていく周りに自分を合わせることに精いっぱいだった。

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