Jリーガー「白血病」気づかず迎えたデビュー戦 開幕3戦スタメンも「異常な疲労感」に襲われる

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「すみません、喉が痛くて、リンパがちょっと腫れているので診てもらえますか」

試合前、スタジアムのロッカールームで僕はチームドクターにこう言った。

「これはけっこう腫れてるな……」

チームドクターは表情を曇らせながら、僕の喉に手をあてていた。

「この症状、ずっと前から続いているんです……」

「わかった。新潟に帰ったら、一度病院で診てもらったほうがいいね」

そう言われ、僕は心の中で「ついに打ち明けてしまった……」と少し後悔した。予想どおり、アップの段階で息が上がる。

「これはプレーすることなんて到底無理だ……」

翌日のオフに実家へ

ベンチスタートとなった僕は、前半の戦いをベンチから見ていた。おかしい。アップもしていないし、ただ座っているだけなのに、全身の汗が止まらない。全身のだるさもつらい。

後半に入り、アップを開始するが、今度は寒気が収まらず、集中して取り組めない。

「もう限界だ。頼むから出番が来ないでくれ……。これは誰かに言わないともう壊れてしまう……」

この願いが通じたのか、誰の目から見ても試合に出られる状態ではなかったのかはわからないが、この日、僕に出番は来なかった。なんとか自分の気持ちをつなぎ止めながら、僕はチームと共に新潟に戻った。

翌日がオフのため、寮ではなく久しぶりに実家に帰ることが決まっており、空港まで両親が迎えに来てくれていた。

「史哉、お疲れ様」

母は試合に出場しなかった僕を気遣ってか、優しく迎えてくれた。父もいつもの優しい笑顔で迎えてくれた。

その日は、その優しさが胸に刺さった。

「じゃあ、ご飯食べに行こう。史哉、何を食べたい?」

母のこの言葉で僕は凍りついた。そういえば実家に戻る前に3人で食事に行く約束をしていたことを今、思い出したからだ。当然、僕は物を食べられる状態にない。ここ2日間、強引に食事はしていたが、ほとんど食べられないし、水ばかり飲む日々だった。

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